女主人公転生前
私は内閣総理大臣補佐官の佐々木と申します。現在私は総理大臣の補佐をしていますが、最近思う事は総理の行動力です。まるで未来が見えているような行動力で、様々な政策を打ち出すのです。
勿論私も協力しますが、それ以上に彼が凄いと思う所があります。それは彼の人脈の広さですね。彼は沢山の人に慕われており、国民からも信頼されています。その為なのか支持率は、常に80%を超えています。ですが、私は彼をあまり信用していません。というのも彼には黒い噂が絶えないからなんです。
例えば政治家なのに裏で暴力団組織と繋がっているとか、裏金を受け取っている等といった物が多いんです。実際、私は彼について調べてみたのですが、証拠は何も残っていませんでした。
ただ、一つだけ気になる点があるんですよね……?
それは、私が調べた資料の中にはある人物の名前だけが無いんですよ。第121代、現代の総理の名前だけが?? もしかしたら、私の考えすぎかもしれませんが、嫌な予感しかしません。
ある日、私と部下達は元総理の家の近くを偵察し、隠しカメラで監視していました。
やはり怪しいと思いませんか……? あんな暴力団関与してる噂の人かが政治のトップに立つなんて……ましてやこの国では貧乏負けが不利な状況なの。
そんな時、何故か急に元総理が立ち上がった。ドアから入ってきたのは、黒スーツの大柄の筋肉質で、眉は太く、細い瞼。日本人ではない顔つきの人達が訪問してきた。どうやら知り合いのようだ。
すると、現金が詰まったアタッシュケースを取り出し、ケースごと手渡したのだ。間違いない、絶対賄賂を渡した。やっぱりそうだったかと確信した。これはすぐ警視庁に連絡しなくてはと思い、スマホを取り出して連絡しようとするが、既に遅かったようだ。
何故ならば後ろから銃を突き付けてきたからだ。そしてこう告げられたのである。
『お前、残念だったね』
日本語訛りの発音、空気が抜けた一発の乾いた発泡音で、倒れた。薄れゆく意識の中で呟いた最後の言葉
「早く……連絡しないと……」
意識保ったまま這いずり回り、携帯に手を伸ばす私……。何とか手の届く範囲、もうすぐで手を掴めると思ったが、男は私の携帯を拾い、トドメの一発で意識が消えた……。