お茶目なラース
「おーいお嬢ちゃん、ちょっと来てくれ!」
ある日、特別仕事もなく雑用をこなしていると、ダグラスさんに呼び止められた。
「はい!なんでしょうか?」
「この前書いてもらった魔法の属性に関するエッセイあったろ?あれを所長に見せたらお前に会いたいって言い出してな!というわけで、今から行ってこい!」
「え?いや、突然そんなこと言われましても!」
「じゃあ、これ所長室までの地図だから。よろしくな!」
「いや、あの!!」
ダグラスさんは私に地図を渡すとどこかへ行ってしまった。
それにしてもなんであれで呼び出しが…まさか思想が危ないから抹殺とか…!?
…さすがにそれは無いか。それにしてもなんだろうな…とりあえず行ってみるか。
――――
コンコンッ!
「えっと…総合魔法部門のシェルシェーレです!」
私はダグラスさんの地図を頼りに所長室まで移動し、ドアを叩いた。
「入りなさい!」
すると中から声が聞こえてきた。
ガチャ…
「失礼します…」
「おお、よくきたな。」
部屋に入ると、白髪で短く髭を生やした、黒目の男性が座っていた。この人が所長だ。
「はい、えっと…」
「ああ、自己紹介がまだだったな。ワシは…私は魔法研究所所長のラース・ナスヴェッターだ。よろしくな。」
「よろしくお願いします、ラース所長。」
さすが所長というだけあって、とても威厳のある雰囲気だ。
「それでは…」
ラース所長はそのまま気難しい表情で 話を続け…
「…とりあえずここ座って!」
「!?」
…るかと思いきや、急に満面の笑みになった。口調もさっきまでとは大分違う。
「今のどうじゃった?威厳あったじゃろ?」
「えっと…はい、あったと思います…」
私は恐る恐る促された席へ腰を下ろしながら発言する。
「じゃよね、良かった!いやね、副所長のアシュトンからもっと所長らしい振る舞いをしろって言われたから、ちょっとそれっぽくなるように練習してたんじゃ!」
「は、はあ…」
これまた個性の塊みたいな人だな…
「えっと…それで、私はどういった用件で呼ばれたのでしょうか?」
「あ、そうじゃったそうじゃった。君が書いた文章見て思ったんじゃが…捜査課辞めない?」
「……!?」




