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エリオット様との腐れ縁①

「エリオット様…」

「なんだよその呆れたような顔、もっと喜ぶか驚くかしてくれてもいいだろ?」


そう言いながらエリオット様は私の両肩に手を乗せて私の顔を覗き込んでくる。


「あはは…」


やっぱり嫌悪感という程ではないけど、この近すぎる距離感についていけない。


「お?なんだ、お前ら知り合いか?」

「そうなんですよ、俺らは愛を誓い合った…」

「いえ、私がたまたまエリオット様にぶつかってしまったことがあって、それ以来少し顔見知りというだけです。」

「ほお、なるほどな」

「ところでダグラスさん、今なんの話してたんだ?」

「ああ、お嬢ちゃんの配属先を考えてたところだ。総合魔法部門で研究員見習いをやるってことまでは決まったんだが、どの課にするか決めかねててな…」

「なるほど…」


なんか、少し嫌な予感がする。


「それなら、捜査課はどうです?」

「…捜査課?」

「おお、確かにいいかもしれんな。…捜査課っていうのはな、第7騎士団と連携して、事件で使われた魔法具やら呪法具やらについて調べるのが主な仕事だ。」

「それってつまり…」

「俺と会い放題って訳だ」

「お嬢ちゃんも顔見知りがいた方がいいだろ?」

「あ、いや別にそんなことはないんですが…」

「つれないな…自分からぶつかってきたくせにそんな突き放すことないだろう?」

「う…」


エリオット様がニヤニヤしながら言う。前にぶつかったこと謝ったときは全然大丈夫って言ってたのに…!


「じゃあ決まりだな、じゃあこの後は寮とか研究室とかの説明するからこのままついてきてくれ。」

「はい…」


なんだか勝手に話が進んじゃったけど…仕方ない、嫌になったら言って変えてもらおう。


――――――


その後、私たちは私の仕事場となる捜査課の研究室や、寝泊まりする寮の下見に行った。


どうやら研究員は原則寮生活らしい。まあそこはお父様からも予め聞かされていたし、研究員が男性ばかりなのを考慮して私の部屋の鍵を厳重にしたり、私専用のシャワールームを用意してくれたりなど、かなり好待遇なので文句をつける要素も無かった。


「しかし貴族のお嬢ちゃんがこんなこじんまりした部屋でいいのか?」

「はい、むしろこれくらいの方が落ち着きます。あ、でも本棚は欲しいですね…買って持ってくることは可能ですか?」

「ああ、異動か退職するときに元通りにしてくれれば、何しても構わないぞ。」

「ありがとうございます。」


本はやっぱりどうしても読みたいので、本棚が置けるのは喜ばしい。


「しっかしほんとに女っ気がないですね、ここは…」

「お前ら騎士団みたいに1人も女がいないよりずっといいだろ。なあお嬢ちゃん?」

「え、あ、はい…というか、そもそもなんでエリオット様もついてきてるんですか?」

「いやあ、シェリーのことがどうにも気になっちまって。」

「…暇なんですか?」

「今は俺が持ってきた魔法具の解析待ちだから、暇っちゃ暇だな。」

「そうですか…」


なんだろう、この攻撃が全てかわされていく感覚…前にお茶会で話したどこかの令嬢が"掴みどころのない男性って魅力的ですわよね!"とか言ってた気がするけど、私にはどうにも理解できない。それってただ会話が成立してないだけじゃない?


などと考えていると、ダグラスさんが口を開いた。


「おっと、俺そろそろ戻らねえとだな…大体今日しなきゃいけねえ説明は終わったから、もう帰って大丈夫だぞ。」

「はい、わかりました」

「エリオット、ついでだし門までお嬢ちゃん送っていってくれ。」

「了解しました!」

「え…」

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