学級委員長がナンデモヒトツ言うことを聞いてくれることになった
深夜テンションで書きました。楽しんで読んでくれるとありがたいですにゃ
大都会岡山にある高校の放課後…
「委員長、もちろん、わかってるよな??」
夕暮れで紅色に染まっていく教室で、1人の男子生徒が、優秀そうな雰囲気を醸し出す女子生徒に圧をかけながら迫っていった。
「ナ、ナンノ話カシラー」
「すっとぼけても無駄だぜ。今回のテストで一科目でも俺が委員長に勝ったらナンデモヒトツ、そう、大事なことだからもう一回、ナンデモヒトツ言うことを聞いてくれると約束、したよな??」
「もう!私のバカぁ!なんであんな約束しちゃったのよぉ!大体あんたも大概よ!バカの一つ覚えみたいに歴史詰め込んで勝負してくると思って私もそればっかりやってたのに、まさか積み重ねが欠かせない英語をついてくるなんて!してやられた気分よ!」
「ふっ、それも作戦のウチさ。まあこんな雑談なんかどうでもいい。本題に入ろう。確か委員長は一人暮らしだったろう?うちに行かせてもらうぜ」
それを聞いた委員長と呼ばれた女の子は、顔色を青くし、そして現場を想像したのか、すぐに赤面した。
「や、やっぱりあんたもケダモノだったのね!ホントサイテー!」
「ふっ、なんとでも言うがいい、だが約束は守ってもらうぞ?」
委員長の家に歩いている途中、委員長が体をもじもじしながら喋り出した。
「あのね、こんなことって、本当は好きな人同士でやることだからダメなはずなんだけど、私も興味があるし、約束を破るのは私のイデオロギーに反するから仕方なくなんだからね??」
「まあ、確かに好きな人同士でしかやらねえことだからなぁ、普通に考えて」
偶然、委員長は保健体育で習ったことを直感で思いだした。
「はっ、アレつけないと私の人生が社会的に終わる…」
「アレ?女性に特有のやつ?(確かに女性の月並みの時ってやばいって聞くよな、赤ちゃん用パンツとか履かなきゃいけないって誰かが言ってたわそういえば。なるほど、だから社会的に終わると…ふむふむ)」
「いや、アンタにも関係あることでしょうが?」
「え、それはないでしょ」
「はあ、あんたってそんな無責任だったのね?失望したわ。まあいいわ、約束は約束だから。とりあえずコンビニ行くから待ってて」
しばらくして、委員長が帰ってきた。
(へぇ、女性のやつって箱型なんだなー…)
「よしっ、ここが委員長の家かー、一人暮らしなのにいいとこ住んでますなぁー。」
「まあね、親も援助してくれてるし、私もバイトしてるからね」
「バイトえらいですなあ。んじゃ、委員長、俺がドア開けたら、『ご飯にする?お風呂にする?それとも、
ワ・タ・シ❤️?』って言ってくれ」
それを聞いて怪訝な表情を浮かべる委員長。
「性欲の塊みたいな男だと思ってたけど、まさかオプションまでつけてくるとはね…まあいいわここまで来たらとことん付き合ってやるわよ」
そう言って家に入ろうとする委員長に待ったがかかった。
「そういえば言い忘れてだけど、エプロン着てくれよ。あと髪型はポニーテールで頼む。」
「はあ、呆れて言葉も出ないわまったく…」
「いや言葉出てんじゃん…」
「うっさい○ね!!」
イライラしながら家に入り、がちゃん!と大きな音をた。
「うし、十分くらい経ったしもういいだろ」
ガチャリ。
「ただいまー」
「おかえりあなた❤️
ご飯にする?お風呂にする?それとも、ワ・タ・シ❤️?」
五秒間、無言の時間が流れた後、
「クゥぅーー!!!!きちゃー!!!最高ー!!!ポニーテール❌エプロン最強かよ!その格好でそんなセリフ言われたら誰だって惚れるわ!可愛すぎか!はあ、一生に一度の願いが今叶ったよ母さん…」
「か、可愛い?」
仕方ないやれやれという気持ちの委員長だったが、エプロンをつけたり髪を結んだりしてるうちに気持ちが乗ってきたのか、ちょっと化粧もしたので、褒められて純粋に嬉しかった委員長であった。
「もちろん!委員長は絶対いいお嫁さんになれるよ!俺さ、あんまモテないし、勉強できないから将来結婚できなそうじゃん?でも漫画とかでそのセリフに憧れてたから、適役な委員長に言ってもらおうって思ったんだよ!ほんとにありがとう!」
「え?え?行為は?」
「ん?行為ってなに?てかやば、もうこんな時間だ。親が門限に厳しくてさ、もう帰んなきゃ!ごめん、またお礼するね!じゃっ!」
そう言って彼が出て行ったあと、委員長は気持ちの整理がなかなかつけられなかった。
彼から可愛いとかいいお嫁さんになるとか、ベタ褒めされ、嬉しい感情もあった一方、彼のお願いをセックスだと勘違いし、1人先走ってコンドームを購入し、あの言わされたセリフをオプションだと決めてかかっていたことに対する苛立ち、羞恥心などがごった返し、どうにかなってしまいそうになった。
その後いつもように風呂の湯船に使っていた委員長は思案顔をした後、急にばっと立ち上がって決意表明をした。
「決めた!あいつに復讐してやる!私に惚れさせて、そんで告白させて盛大に振ってやるわ!」
その数年後、彼女があの男子生徒に向かって毎日『ご飯にす(以下略)」と言うことになるのは、また別のお話。