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プロローグ:とある鳥人族の日記
(とある鳥人族の日記)
『化体族は人間に戻った。神のもとに辿り着き神にゆるされた。
本日、あの者らを故郷の島まで送り届けた。島は歓喜に湧き、あの者らは安堵の笑みに包まれた。
人間となったあの者らとは今後関わりはあるまい。新しき道をどのように歩むのか。まったく新しい道ゆえに苦難も多かろう。
少しばかり行動をともにした身からすれば、あの者らによき風が吹き、日のにぎわいも夜の静けさも等しく受け入れられることを、陰ながら願う。
絶海の孤島より旅立ち、積年の望みを果たしたあの者ら、化体族の若き男女二名の物語は、この先語り継がれていくことだろう』