手編みのマフラー
もうすぐクリスマスだ。
編み物は初めてだったので早くから準備をしてきた。
何度も苦戦して諦めようと思ったけど、彼の顔を思い浮かべて頑張った。
その甲斐あって、なんとかクリスマスプレゼントに間に合いそうだった。
「喜んでくれるかな?」
編みながらポツリと呟いた私の言葉は、室内を暖めるために動いている暖房の音にかき消されていく。
一息つこうと、私は部屋を出てリビングへ向かう。
階段を降りようと手すりをつかむと、暖房に暖められた体を冷ましてくれるようなちょうど良い冷たさを感じた。
リビングで一息ついた私はすぐに編み物へ戻るために部屋へ向かう。
彼の照れながらも嬉しそうに笑う顔を想像しながら。