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序章
―まさか、こんな日が来るなんて、私は本当に、思ってなんかいなかったよ。
「私さ、高校の頃、――のこと、好きだったよ」
目を見開いて、私のことを凝視したその顔が、あまりにも滑稽で。
思わず笑ってしまった自分を、今でもはっきりと覚えている。
***
これは、私の実話であり、真実であり、現実である。
どこまで遡って語るべきなのか…正直昔のことは、私もほとんど記憶に残っていない。語るにしても、断片的になってしまうだろう。
だが、元々これは、誰かに聞いてもらう為に残すものではなく、私自身が、忘れたくないものとして記録したいと思い、始めたものだ。特に支障はきたさないだろう。
さて、それではひとまず、彼との出会いに繋がる、中学時代の頃を思い出していこうか。