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幽玄  作者: わらし
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死に求む

気がつくと、視界にはトラックの前面が広がっていた。

視界は暗転した。

気がつくと俺は街をさまよっていた。

何も思い出せない。

恐らくは死の直前の映像だけが、自分に残った唯一の記憶だった。

俺は漂っていた。街を、山を、田畑を、空を。

意識が回復したのは街だった。

何か思い出すものでもあったのだろうか。

それすら分からず、ただ街を漂っていた。

俺は一体誰なんだ。

その問いに答えなどなく、ただ街をさまよう日々の中で、一つだけ思い出した。

自分には何か心から欲しいものがあった。

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