第一章(2)
「えーと…高等部一年の佐川葉です。マジカライズは精霊召喚です」
全員の自己紹介が終わった後、五人の顔と名前を一致させる。
同じ学園なものの、初等部から高等部にまで分かれているため、面識がない人たちだったので、自己紹介をすることになったのだ。
ツインテールの赤髪の女の子は、先ほどの駆け出し少女、速鳴みく(はやな みく)さんだ。はじめの印象から、元気そうな人だな、とは思っていたが、自己紹介を聞いてさらに確信した。
まだ、中1の13歳ということもあり、子供っぽさを感じらされた。
マジカライズは変身。
黒髪のロングヘアの子は天使天音さん。落ち着いた声と丁寧な口調で、清楚で礼儀正しそうなイメージだ。
あの大富豪の天使家のご令嬢らしい。14歳の中2で、 速鳴みくさんとは知り合いだそうだ。
マジカライズは超音波。
背の小さい小鳥遊ひなり(たかなし ひなり)さんは、金髪の緩くウェーブがかかった、なんとも可愛らしいフランス人形のような女の子だ。この中では最少年の12歳、つまり小6。
笑顔が絶えない、花のような感じのふわふわした不思議ちゃん少女。
マジカライズは重力を変えること。
音風椎奈さんは引っ込み思案なのか、自己紹介のときも声が大きくはなく、普通でもなく…。おとなしい人だな、と思った。
水色髪でサイドポニテにしている。
顔立ちははっきりしていて、声もいい声をしていた。中2の14歳だそうだ。マジカライズは瞬間移動。
最後の1人、佐倉嘉音さんは俺と同じ高1の15歳でなんだか適当な感じの印象を受けた。
大人っぽく、背も俺と同じくらい。
茶髪のショートで自己紹介も適当だったので、協力性がない人かなと思う。マジカライズは未来予知。