4月8日 アイス
昨日、俺はソラに体重の話をしてあの後結局急所を蹴られたのであった。
「ちょっと、お兄ちゃん。暇なんだからアイス買ってきて」
「俺が常に暇みたいな言い方はやめろ。昨日、男の大事なとこ蹴ってよくそんなこと言えるな」
「蹴りたくて蹴ったわけじゃないし」
「蹴りたくて蹴ったならソラとは一緒に住めないとと思う」
もし、蹴りたくて蹴ったなら「おはよう」と言いながら蹴られ、「いってらしゃい」と言われながら蹴られ、「ただいま」と言って蹴られ、「おやすみ」と言っては蹴られるわけだろ。そんなのモタない!体と精神と大事なとこが!!
「そこにあったから蹴っただけだし」
「それ、もっといけないやつううううううううううううううっ!!」
「アイス、タベタイ。アイス、カッテコイ」
「その心は?」
「彼女は、いつまでもアイスを求めていた。彼女にしてみれば、アイスは水みたいなものだ。なので、今の彼女からアイスを取り上げるということは水を取り上げてると同じことなのだ。必死に水が欲しいと言ってるのにくれない彼はどうなってるのだろうか?彼は何を考えるのだろうか?ちょっとコンビニに行って買ったらいいだけなのに彼はそれすらしようとしない。彼女を見殺しにするつもりなのか?彼にか両親というものはないのだろうか?もし、少しでも彼に両親があるとしたら言いたい「君が握ってるのは彼女の生死だけではない、自分のこれからの人生もにぎってるんだ」と………」
「なげぇよ!よくもまあ、アイスを買ってきてもらうのにそこまで話せるよな!」
「アイスは絶対。アイスは正義」
「どこのアイス信者だよ」
「………お兄ちゃん!私………決めた!」
「え、今の流れで何を決めたの?」
「今からアイス教を普及する!!」
「あえてツッコまないからな」
「お兄ちゃんは第一信者ね」
「人を勝手に信者にしないでください」
「いいから、神である私を崇め、アイスを買ってきなさい。さすれば、私が喜ぶでしょう」
「お前が喜ぶだけかよ!!はぁ………4月からアイスばっかり食っていたら7月なんてもたねーよ」
「大丈夫、7月は1日5個食べるから」
「量の問題じゃねーよ!」
「じゃあ何の問題?」
「心だよ」
「茶番はいいから」
「だから4月からアイス食べるのは7月が暑くて暑くてしょうがなくなるぞ!ソラの蒸し焼き ~夏の汗がほのかに匂う~ ができるぞ!」
「その名前やめてくれない!!夏はクーラーがあるよ」
「太るぞ」
「何か言った?」
「いえいえいえ、太るぞとは一言も言ってません」
「もうちょっと上手く誤魔化さそうよ」
「過去形じゃなく現在進行形です!………って危な!」
ソラの携帯型ゲーム機が飛んできた。それを紙一重で避ける
俺。一般人だったら当たってたぞ!
「今の距離で避けるとは………お主中々やるな、名をなんと申す」
「なぜ時代劇みたいに言う!」
「お主も悪よの~」
「お代官様こそ………って何も悪いことしてないんですけど!!!」
「それは置いといて、あんな恥ずかしいこと良くできたね」
「お前もな!」