4月7日 何でそうなる
「小説を読む時って小見出しも読む?」
ソラーに寝転がるソラとは反対に地べたに座るカイト。これが各社社会。
「読まない」
いつものようにダルそうにソラが答えた。
「でも、題名って大事だろ!何で読まんの?」
「面倒だから」
「ごめん、世の中の全てを面倒で済まさないでくれるかな。大人になったらその面倒なことを沢山やらされるんだぞ!」
「すべてじゃないよ!食べるのは面倒じゃないから」
これが食べることにハマった人が言う言葉である。逆に言えば食べること以外は面倒だと言っていることになる。
「へぇ~、だから去年に比べて2キロも太ったのk………」
「な、ななんでお兄ちゃんが、私の体重のこと、し、知っちゃってるのかな!?」
手と手の間から見える頬をいつもより赤くなっている気がした。口調もおかしいくなっている気がする………いや、確実におかしい。
「これが妹じゃなかったら確実にオチてたぜ………」
危ない危ない、と首を振るカイト。この反応はオチるギリギリで踏みとどまった事がよく分かる。
「だから、何で私の体重のこと知っちゃってるの?」
カイトは、本当のこと言ったら絶対怒ると思い話題転換することを決意した。
「そうそう、春休みの宿題って、まだ残ってない?あったら手伝うぞ?」
「何で知ってるのかを聞いているんだけど」
第一波撃墜。第二波いきます。
「なんでやねん!」
「ツッコんだらいい話ではないだけど」
取りあえず、ツッコミ作戦が聞かないだと!?何でだ。何でなんだ!?カイトより俺が動揺してる訳は。
『そっちかよ』ってどこかでツッコミが聞こえた。
こうなったら第三波しかない。
「この度はお騒がせして、すいませんでした!」
「理由を聞いているんだよ!理由を!」
少々ためらったが、意を決して本心を言おうとするカイト。それを黙って待つソラ。
「勘です。当たりましたか?」
「べ、べべべべ別に当たっちゃってなんかないし!わ、私、そ、そそそんなに太っちゃってるわけでもないし!」
明らかに動揺してるソラ。これは、誰が見たって当たってると分かる。でも、その事言うと絶対怒ると思ったカイトは言葉を選んだ。
「じゃあ、何キロ太ったんだよ?」
「はぁ、死にたいみたいだね?」
女性と体重の話はしてはいけないことがよく分かった。