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アメイジング・グレイス 〜幼き女神は斯く語りき〜  作者: タカトウ ヒデヨシ
第一章 精霊の弟子?  第五話 お披露目パーティー開催

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5−11 貴族のお金の使い方

お披露目パーティーも無事?終了し、後はオウルニィに帰る事になったアリア達。


その前に辺境伯から相談事があるみたいです。

 兼ねてよりの懸案事項だったお披露目パーティーもようやく幕を閉じた。

 終わってみれば、こんなものかと思う程呆気なく終了した様な感じだが、これはあくまでも私個人の感想で、周りの大人達は全くそんな事は感じていないだろう。

 まあ、シーラとマーベルのお陰で魔術師学校に入学してもボッチで悩まなくてすみそうだし。メグともお友達になれたので、私としてはパーティーを開催して本当に良かったと思っている。


「……これでオウルニィに帰れますね」


 母さんが感慨深げに呟いた。

 確かに色々あったなー。特にクソ馬鹿野郎関連で……。

 まあ、そのお陰でクーパー家の王都での滞在場所の目処もついたし、そして図らずもヴェニス商会という大きな買い物もしてしまった。初期投資も含めると少し赤字だったかも知れないけど、まあ原資は泡銭みたいなものだったのだ多少の損なんて問題ないだろう。それにヴェニス商会はこれからグローバルカンパニーとして躍進していくはずだから、後でいくらでも資金は回収できるだろう。

 後はオウルニィに帰るだけだと思っていたのだが、帰る前に色々と決めておかないといけない事があるらしい。

 それは、私の魔術師学校の入学の際に掛かる費用負担についてなのだが、これまでの話し合いの結果、生活に必要な経費はニュートン家が負担して、授業料などの学費はウェズリー家が負担することになっていた。はずだったが、ここに来て全てウェズリー家が負担したいと辺境伯閣下がゴネ始めた。……なんでそうなった?

 辺境伯の説明によると、お披露目パーティーの席でメイヨー伯爵から魔術師の後見人について色々とアドバイスを受けたようだ。その際、学費などの経費の負担の事も話題に上がりメイヨー伯爵はシーラとマーベルの諸々の経費は全額伯爵が払っていると聞いたのだという。


「しかし、そのシーラやマーベルはアリアの話ではどちらも平民出身だと聞きました。ですが、アリアは貴族出身ですし我が家もお金に不自由はしておりません。ここで全て辺境伯閣下のご厚意に甘える事になったら、我が家の信用は地に落ちる事になるでしょう。ウェズリー家の名誉を守る事も重要かと存じますが、ここは我が家の名誉もお守りくださいませんか」


 父さんは辺境伯を必死に説得していた。ここで全ての費用を辺境伯に負担させてしまうと、私を辺境伯に取り込まれてしまうと考えたようだ。なので父さんは出来るだけ辺境伯の影響力を下げようと必死に説得していた。

 しかし辺境伯もなかなか後には引けない事情があった。それは、お披露目パーティーに国王陛下とモリガンが乱入した事によって、私に対する注目度がさらにアップしてしまった事が原因だ。今まではいくら周りが精霊の弟子だと語っていても眉唾物だと貴族達は高を括っていた。ところが、お披露目パーティーに国王陛下が出席し、そして普段は姿を現す事さえない精霊のモリガンまでもが現れたのだ。その結果、私の株は鰻登りのストップ高状態になってしまった。

 そうなると、後見人である辺境伯が同時に注目される事となり、下手な援助では他の貴族連中から何やかんや言われかねない状態になってしまった。なので、辺境伯にとっても簡単には引き下がれない。要は貴族の矜持とかプライドがかかった問題になってしまっていたのだった。

 プライドとか自身の見栄の為に大金をばら撒こうとするなんて、本当に貴族ってめんどくさい。その勿体無いお金の使われ方が私が原因だなんて本当に申し訳なさすぎる。


「では、辺境伯閣下が私に渡される予定だった同額のお金を魔術師学校に寄付されてはいかがですか。魔術師学校は貴族学校と違って生徒数も少ないので寄付金も少ないでしょうし、私の学生生活にも優位に働くでしょうから私に渡すのとさほど変わりはないかと思いますが」

「なるほど、それはいい考えだね。魔術師学校は貴族学校と違って通う学生は平民ばかりなので初期投資はかなりの負担となり、後見人の貴族達は平民に必要以上のお金を使う事に抵抗があるから寄付金が集まりにくいと聞いた事があります。いかがでしょう辺境伯閣下、ここで寄付金の額を増やせば、さすがは精霊の弟子の後見人だと他の貴族達に知らしめる事になるのではないでしょうか」

「……なるほどな、これならばニュートン男爵家もウェズリー辺境伯家も双方が納得出来る落とし所という事か。以前、陛下から魔術師連中は金食い虫だと愚痴を溢されていたが、国のことを考えると魔術の発展を躊躇するべきではないのだ。もしかしたら、この寄付金がきっかけで他の貴族達が魔術に関しての考えが改まるきっかけになるかも知れないな」

「……流石にそこまでは望み過ぎではないかと」


 そうそう、人間欲張っちゃいけないよ。そう簡単にあれやこれを解決するような万能薬なんて存在しないのだ。


「これで、アリアはオウルニィに帰る事になるのだな……」

「はい、ここに来て四十日余り過ごしました。本当に長い間お世話になりました」

「とは言っても、すぐに魔術師学校の入寮式になってしまうな。どうだ?このまま入寮式までこの屋敷で過ごすというのは」

「いえ、私にも準備が色々とございますから、オウルニィに帰らせていただきます」

「……そうだな。ならば、長々と引き止めるわけにもいかんか」

「閣下が仰った通り、一月程で王都には帰ってきます。またすぐに再会しますよ」

「ああ、ではその時を楽しみにしていよう」


 私達はようやくオウルニィに帰還する事になった。

 帰りは行きと違い私の転移術で帰る事になったので一瞬でオウルニィに帰る事ができた。……最初から転移術で来ればよかったよ。

魔術師学校に寄付金を出す事になった辺境伯。


実はこの寄付金が他の魔術師学校生の後見人達である貴族達に伝わり、多くの学生の後見人を務めるドニゴール侯爵の恨みを買う事になります。

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