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アメイジング・グレイス 〜幼き女神は斯く語りき〜  作者: タカトウ ヒデヨシ
第一章 精霊の弟子?  第五話 お披露目パーティー開催

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5−5 お披露目パーティー 3

前回に引き続き、またまたお披露目パーティーの続きです。

 私はトマスやシーラ達と別れ、他の貴族の皆様との挨拶に戻った。

 結果的にシーラやマーベル以外は魔術師学校の入学予定者とは出会わなかった。まあ、例年だと入学するのは十人にも満たないのだ、そう簡単には出会わないだろう。

 ギャレットは自分が紹介したい貴族や商人には挨拶を済ませたので、エスコートをアルウィン兄さんと交代して、そそくさと貴族連中の集団に入っていった。


「アルウィン兄さんは今まで何をしていたの?」

「そうだな、父上と一緒に挨拶回りをしたり、貴族学校に入学する人達と交流を持ったりしていたな。その辺りはアリアとさほど変わらないよ」

「うう、挨拶ばっかりでお腹が空いてきました。何かつまめる物を持ってきてくださいませんか」

「だからちゃんと朝食を食べる様にと念を押したのに。今度は叔父上と一緒に挨拶に回らないといけないのだろう?……ちょっと待っていてくれ」


 そう言ってアルウィン兄さんは給仕の人に頼んで、小皿に載ったカナッペとアップルジュースを持ってきてくれた。


「……それっぽっちじゃあ、お腹いっぱいにはならないよ……」

「お腹がいっぱいになる必要はないだろう。それにそんな時間はないよ」


 私はカナッペをもしゃもしゃと食べて、アップルジュースで流し込んだ。


「ああ、テーブルの上にはあんなに豪勢な料理が所狭しと並んでいると言うのに、私は一口も食べられないなんて……」

「愚痴ばかり言っていないで、早く叔父上の所に行くよ。アリアに紹介したい御令嬢がいるみたいだから」

「……アルウィン兄さんの婚約者候補ではないの?」

「僕の事はいいから!」


 もう、わかったからそんなに引っ張らないでー!




「叔父上、お待たせしてしまいました」

「ああ、アルウィン、アリアのエスコートをしてくれてありがとう。アリア、こちらはマクドナルド男爵御一家だ。ゴドフリー様は貴族学校時代の私の先輩だったお方だ」


 まさかこの世界であの有名ハンバーガーチェーンの名前を持つ人と遭遇するとは思わなかった。……ダメだ!名前を聞いたらハンバーガーとポテトとコーラのセットが食べたくなってきた。


「初めまして、マクドナルド男爵様。アリア・ニュートンと申します」

「これはご丁寧にどうも、私はゴドフリー・マクドナルド、そして妻のルイーザと長女のマーガレットだ。確かアリア嬢は七歳と聞いていたが」

「はい、ゴドフリー様。次の春が来たら八歳になります」

「では、マーガレットと歳も生まれの季節も同じだな。となると、貴族学校では同期生になるのか」

「先輩、アリアは魔術師学校に入学するので貴族学校は……」

「ああ、そうだったか。せっかくマーガレットの同期生と出会えたのに……」


 ゴドフリーが残念そうに呟くとマーガレットの表情も意気消沈していた。

 私が悪いわけではないのだが、何だか申し訳ない。


「ゴドフリー様、私は魔術師学校に行くことにはなりますが、別に行く学校が違ったとしてもお友達になれるのではないですか?私は一目見てマーガレット様とお友達になりたいと思いましたが、いかがでしょうか?」

「そうだな、アリア嬢の言った通りだ。私も身分や立場の違う友人は何人もいる。つまらない事でせっかくの機会を台無しにしてしまう所だった。マーガレットはアリア嬢とお友達になりたいか?」

「……はい、お父様。私はアリア様とお友達になりたいです」


 うわー、マーガレット様って無茶苦茶可愛いじゃないか!

 少しウェーブが入った赤みがかった茶色の髪はとても柔らかそうだし、ぷっくりとしたほっぺは思わず突きたくなる様な丸みを帯びていて、優しそうな表情にとてもマッチしている。瞳も髪と同じく茶色で少し目尻が垂れ気味な所も恐ろしくキュートだ。背は私よりか少し高い程度だが、まだ七歳のあどけなさが残る体型にフィットした黄色のドレスは子供らしさを残しながらも、少し大人びた色気も感じさせる逸品に仕上がっている。……うーん、まさにパーフェクト。


「マーガレット様、私の事はアリアと呼んでくださいませ」

「では、私の事はメグと呼んでくださいませ。お父様やお母様は私の事をそう呼んでいるのです」

「まあ、そんなご家族と一緒の呼び方をしてもよろしいのですか?」

「勿論です。アリア様には是非そう呼んでいただきたいです」


 やったー!私、この世界に来て初めてのお友達が出来たよ!


「あのメグ様、どうせなら呼び捨てで呼び合いませんか?その方がよりお友達っぽくて良いと思いませんか?」

「そんな、アリア様は精霊様のお弟子様なのでしょう?とても恐れ多いですわ」

「メグ様、確かに私が精霊の弟子である事は事実ですが、私はただの七歳の女の子でしかありません。そんな私に遠慮する事なんて何もありません」

「……じゃあ、アリア……、これから仲良くしていきましょうね」

「うん!こちらこそよろしくね、メグ」

「よかったわね、メグ。貴方はこのパーティーに出席すると決まってからはアリア様とお友達になりたいって言っていたものね」

「もう!内緒にしてってお願いしたのに!お母様のイジワル!」

「そうだったの、メグ。私はとっても嬉しいわ」


 メグははにかみながら母親であるルイーザのスカートの後ろにに隠れてしまった。……そういった所も可愛いんじゃーい。


「ねえメグ、私、あなたともっとお話ししたいわ。父さん、メグとお話をしに行ってもいい?」

「ああ、行っておいで。クリス、二人に付いていてくれないか」

「メグ、向こうのテラスでお話ししましょう!」


 私はメグの手を取ってテラスに向かって歩き出した。

 そんな私達を見ながら、大人達は微笑ましそうに見ていたが、そんな視線は気にしないもんね。

前回に引き続き、新キャラクターのゴドフリー・マクドナルド男爵と、その娘でアリアと同い年のマーガレット(メグ)の登場です。


次回はアリアとメグとのお喋りの様子のお話となります。

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