表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アメイジング・グレイス 〜幼き女神は斯く語りき〜  作者: タカトウ ヒデヨシ
第一章 精霊の弟子?  第四話 辺境伯家のお家騒動

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/121

4−15 リチャードへの断罪 5

前回に引き続き、リチャードの断罪(借金編)となります。

「この次に私が体験した話だと、リチャードの借金が発覚した話になりますが、これは第三者である私が関与していい事柄ではありませんが、リチャードに質問します。貴方は何故この様な愚かな内容の借用書を交わしたのですか?確か、貴族学校では次期領主候補に向けた法律や財政管理などに関する授業があったはずです。ギャレット、そうですよね?」

「……その通りです」

「その授業を履修していれば、オウルニィの所有権の移譲なんて物が許されるはずがない事位わかるはずです。確か、ケルト王国の法律では土地は全て国王の所有物であり、貴族は国王より土地の維持管理を委ねられるでしたっけ。この文言通りですと、オウルニィの所有者は国王であってウェズリー家の物ではありません。その一文は国王への反逆行為とも捉えられますね」


 私の言葉にリチャードの顔色は真っ青になっていた。

 えっ?もしかして、本当に知らなかったの?

 お前、学生時代は何を勉強していたんだよ!


「それに、リチャードの返済能力についても疑問があります。貴方がヨセミテ商会から借りたお金の総額は十一億八千万カード、大金貨百十八枚です。そして、金利は年三十五パーセント、つまり一年で四億一千三百万カード、大金貨四十一枚と小金貨三枚となり、月の利息だけでも約三千五百万カードになります」


 カードとはこの世界共通の通貨単位だ。大金貨一枚が一千万カードで、小金貨一枚が百万カードとなり、小金貨十枚で大金貨一枚となる。

 大金貨や小金貨の他にも色々な貨幣があるのだが、今は関係ないので説明は省略しておこう。


「リチャード、貴方が得ている年収は大金貨二十枚だったはずです。しかしそれは、貴方の奥さんや子供の生活費なども含まれた金額だったはずです。とても返済が出来るような収入ではありません」


 貴族の収入は毎年国に申告しなければならない。つまり、簡単にリチャードの年収なんて調べられるのだ。


「貴方、前カフカース領主であるジョハルに騙されましたね。貴方を借金漬けにしてウェズリー領を裏から操る、単純ですが効果的である事は否めません。ウェズリー領にはオウルニィをはじめ、優秀な武具の生産地ですし、キボリウム山脈の魔物に対抗する屈強な騎士達も大勢います。それらを、将来的に自由に出来るのでしたら、大金貨百枚どころか一万枚だっておかしくはないでしょうね」

「どうして……、ジョハル様が俺を騙したなどという根拠があるのか!」

「ジョハル・カフカースは貴方と同じくクン・ヤン派です。クン・ヤン派は、近い将来に国家転覆を企んでいたのでしょう?武具や兵士を大量に欲していたはずです。実際、ジョハルはオウルニィの武器を毎年大量に購入していましたよ」


 カフカースの領民から税金を大量に搾り取って用意していた位だ、もしかしたら十年も待たずに反乱を起こそうとしていたのかもしれない。その場合、ケルト王国の北端にあるウェズリー領はジョハルやクン・ヤン教国にとっては使いやすい領地だったろうな。

 カフカース領はニヴルヘイムの国境線がある領地だから軍備の増強を隠しやすいし、ウェズリー領もキボリウム山脈の魔物という隠れ蓑が存在する。

 それに、もし反乱が勃発してもウェズリー領まで騎士団が進軍するまでに時間がかかるし、クン・ヤン教国軍が南側から侵攻してきたら、ケルト王国は南北で挟み撃ちされてしまう可能性がある。問題は、クン・ヤン教国からケルト王国への侵攻ルートにはユピテル帝国かログレス王国のどちらかを通過しなければいけない事だが、どちらの国も政情が安定しているとは言い難い。もしかしたら、その辺りもクン・ヤン教国の介入があるのかもしれない。


「ジョハルが貴方を騙していると思われる理由はその借用書にあります。通常、借金の担保に町の所有権なんて文言は書きません。普通に考えてもおかしいじゃないですか、疑わない方がどうかしています。ですが、ジョハルはあえてその文言を書き入れています。ジョハルはかなり早い段階で貴方の教育の遅れに気がついていたのではないですか。おそらく、リチャードが指摘をしたらギャレットやウェズリー家が返せないような額の借金をさせていたでしょうし、指摘されなかったらオウルニィの所有権を使って貴方を脅していたでしょう。ジョハルにとってはどちらに転んでも良かったのです」

「……どちらに転んでもいい…だと」

「ジョハルはケチだったから、出来るだけお金がかからない方法を取りたかっただけだろうと推測できます。借用書一枚でウェズリー領を意のままに操る事が出来るのですから」


 リチャードは私だけではなく、ジョハルにまで馬鹿にされていた事に気がついてショックを受けているみたいだ。……今更、ショックを受けるような事か?


「これは神としてではなく、アリア・ニュートンとしての要望ですが、ギャレット辺境伯閣下、リチャードの廃嫡を要求します。彼が次期領主である可能性が存在する事自体、辺境伯家に仕える者として不安を払拭出来ません」

「貴様が我が家の事に口出しをするな!」

「家臣が諫言を呈しなければならないような事をしている貴方に、文句を言われる筋合いはありません。愚かな領主が統治して困るのは家臣や領民達ですよ。その事を自覚してください」

「……どこまでも減らず口を叩きやがって!」


 辺境伯夫妻どころかオーエンまで居た堪れない表情になっていた。

 けど、今のリチャードの性格や態度は、貴方達の教育の賜物ですからね!反省してください!

リチャードの借金の利息の金額は単純計算しただけなので、もしかしたら違うかもしれません。


利息の計算って、それ用の計算式があったと思いますが、もし違ってましたら正しい答えを教えて下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ