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アメイジング・グレイス 〜幼き女神は斯く語りき〜  作者: タカトウ ヒデヨシ
第二章 魔術師の卵?  第二話 学生生活

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2−9 副団長からの呼び出し

 新入生達は今日も魔力制御の授業を受けている。

 トッド君は復習がてらもう一度魔術具を手に取り灯りを灯そうとしていたが、中々上手くは行かないみたいだ。

 この魔力制御の授業の合格ラインは一時間以内に連続で二個点灯させる事らしいので、私は昨日の時点で既に合格してしまっている。

 なので、今日もショット先生に断って別の勉強をしていた訳だが、授業が始まって10分程経過した時、私の教室に魔術師団から伝令が来て私に一階の職員室に来る様にと命じられた。

 一応、魔術師学校に入学した時点で学生達は魔術師の塔の所属になっており、役職的には魔術師見習いという身分になっている。

 つまり、魔術師団からの呼び出しという事は上司からの呼び出し命令と同じ事になる。


 ……呼び出しだなんて、私まだ何もやらかして無いよね?


 マーベルとシーラも心配そうに私を見つめている。

 私は多少不安を感じながら教室を後にし、職員室に向かった。




「……失礼します」


 伝令の人の後に付いていくと、職員室の中を通って奥にある応接室に足を踏み入れた。


「やあ、元気だったかい、アリア嬢」


 応接室にいたのは校長先生と魔術師団の副団長であるジャスパーさんだった。


「お久しぶりです、ジャスパーさん。以前、魔術師の塔で訓練の様子を見せて貰った時以来ですね」

「あれは夏の終わりの頃だったから半年ぶりなのかな。いやはや、時が経つのが早く感じるね。……今のセリフ、ちょっと年寄り臭かったかな」

「……えっと、私に何の御用でしょうか?」

「えっ、いきなり本題に入っちゃうの?もうちょっと世間話をしていこうよ……」

「今は授業中なので、あまり授業を離れるのは良く無いかなと思いまして……」

「まあ、いいか。今日、私が来たのはその授業に関する話なんだよね」

「はあ……?」

「アリア嬢、君、魔術の授業受けなくてもいいよ」

「はあ……!」

「今の授業、いや初等科の授業と言った方がいいかな、退屈でしょ?」

「……仰ってる意味がわかりませんが?」

「いや、君にはわかっているはずだと思うけど。既に体験したからわかっていると思うけど、君が受けている授業、あれは基礎中の基礎……、つまりすでに魔術が使えるアリア嬢には全く必要ない授業なんだ」

「……全くって事は無いかと思いますが……」

「以前、魔術師の塔で魔術を披露してくれたアリア嬢にとって、わかりきっている事を何度も学ぶのは苦痛でしょ?そんなくだらない授業を受けている時間があるのなら、もっと有意義な事に使うべきだと思わないかい?」

「……くだらない授業って、教えている立場の人が言うセリフではないと思いますけど?」

「そうかい?あんな授業、魔術の高みを目指そうと思う人には無駄でしょうがない時間だと思うよ」


 ……なるほど、ジャスパーさんは魔術の本質にある程度は気がついているのだろう。

 魔力とは何か、魔術とはどういった現象かがわかっていればもっと良い学習方法は色々とあったはずだ。


「……くだらないとは言いませんが、私には必要ないと言うのは同意します」

「だよねー。昨日さ、ショット君から相談を受けたんだよね。君の授業の事……」


 ショット先生も昨日の時点で、私に対しての授業をどうすればいいのかが判断できなかったのだろう。……だからって魔術師団の副団長が出てくるものなの?


「だから、君の魔術の授業を免除する代わりに、魔術師の塔に来て私達の訓練に参加してほしいってな訳なんだよ」

「魔術師団の人達に混じって訓練をするんですか?」

「そう!君は授業が免除となり、私達は精霊様から教わったという君の魔術を間近で見られる。まさにウィンウィンの関係じゃないかな」

「……それって本当にウィンウィンなんですか?」

「そりゃそうさ!私は今から楽しみでしょうがないよ!」

「……実はジャスパーさんが私の魔術を見たいだけの様な」

「それのどこが悪いのさ!権力ってのは使える時に、使えるだけ使う物だよ!」


 この人、本当に欲望に忠実だな!

 そうやって他の人にも迷惑をかけているんじゃないだろうか?


「わかりました。どうせ、拒否なんてできないでしょうし……」

「そうかい?別に拒否してくれてもいいんだけど」

「……ジャスパーさんは魔術師団の副団長で、私はしがない魔術師見習いですよ。拒否なんてしたら命令無視で懲戒ものじゃないですか……」

「七歳……いやもう八歳だっけ、そんな歳なのに考え方が大人だねー。私としてはアリア嬢が拒否してもらって私とアリア嬢が対決する事になって、負けた方が勝った方の言う事を聞くっていう流れも面白そうだと思ったんだけどな」

「……なんでそんな事をしなくちゃいけないんですか。周りの迷惑を考えて下さい」

「まあいいや、んじゃ校長、アリア嬢の授業免除って事で手配しておいて。訓練は今日の午後から始めるから、一旦あの美人なメイドさんに準備をして貰ってね」


 今まで一言も発しなかったが、そういえば校長先生もこの場にいたんだった。

 ジャスパーさんよりも校長先生の方がずっと年上のはずなのに、この校長先生、ずっとジャスパーさんに緊張をしっぱなしだったな。

 ジャスパーさんが持っている権力って、実は物凄いんじゃないだろうか?

次回、アリアは魔術師団との訓練に参加します。はてさて、訓練の内容は何なのでしょうね?

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