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アメイジング・グレイス  作者: タカトウ ヒデヨシ
第一章 精霊の弟子?  第一話 オウルニィの少女

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1−1 この世界の両親

アリアの異界での生活が始まります。


が、この回はアリアは殆ど出番はありません。

 私が異界に来てから七年が経過した。

 と言っても、特に何も起こる事なく平和そのものだ。……平和バンザイ!




 私の現在の身分はジョン・ニュートン準男爵の娘。貴族の身分ではあるけど平民に毛が生えた程度の何ともいえない微妙な立ち位置だ。

 私が現在生活している、ウェズリー領のオウルニィという町の代官であるウィリアム・クーパー男爵の弟が私の父さんになる。

 父さんと伯父さんの関係はほんのちょっとだけ複雑で、父さんの父親である前クーパー男爵は、本当は伯父さんではなく父さんに家督を継いで欲しかったらしい。と言うのも叔父さん小さい頃から剣ばっかり振っていた為、勉強がとても苦手だった。それとは打って変わって、父さんは周囲から神童と呼ばれるほど聡明で将来を嘱望されていた。双方、全く別の性格をしていたせいか兄弟は仲が良く、兄は将来の騎士団長に、弟は父の跡を継ぎ男爵にと将来の約束を交わしていたのだった。


 そんな兄弟に転換点が訪れたのは、父さんが十三歳になった時だった。なんと、父さんは母さん……メアリーに一目惚れをし、速攻で告白をしてすぐにお付き合いを始め、一年後にプロポーズをしたのだ。母さんが貴族の娘だったら何の問題もなかったのだが、母さんは平民だった。男爵くらいの身分なら富豪の娘と結婚することは稀にあるが、母さんは平民とは言っても孤児院出身でとても貴族のお嫁さんになれる様な身分ではなかった。お祖父さんは当然結婚に反対をした。父さんから聞いた話では、母さん本人や職場や孤児院にも嫌がらせをしていたらしい。だけど、そんな妨害にも父さんと母さんは屈しなかった。伯父さんも、二人の結婚には当初難色を示していたが、父さんの説得と母さんの人柄を見て、お祖父さんに二人の結婚を認めるように説得した。そこでお祖父さんは条件付きで結婚を認める事にした。


 一つ。ウィリアムが男爵を継ぎ、ジョンは予備爵として保有していた準男爵となってウィリアムの補佐をする事。


 二つ。ウィリアムは必ず貴族の娘と結婚する事。


 三つ。メアリーはお祖母さんの実家の男爵家の養子になって、下級貴族としての礼儀作法と最低限の教養を身につける事。結婚にかかった費用や持参金は二人でクーパー家に返金する事。


 一つ目の条件は、伯父さんはもの凄く嫌がっていたが、父さんが実務は全部面倒見るから伯父さんは男爵でいてくれたらいいと説得し、伯父さんはオウルニィの代官と騎士団長を兼任し、実務の全てを父さんに丸投げした。


 二つ目の条件は、当時、伯父さんは貴族学校で知り合った騎士爵の娘と熱愛関係であった為、簡単にクリアする事ができた。一つ問題だとすれば伯父さんが付き合っていた方も、母さんと同じ名のメアリーだった為、同じ一族内で同時期にメアリー・クーパーが二人いる事を危惧した父さんは、準男爵になった時、姓をニュートンに変え独立する事になった。

 ……因みにニュートンという姓は、貴族名鑑を適当なページを開いて、現在使われていなかった姓を適当に選んだそうだ。……そんな適当に選んでもいいの?


 三つ目の条件が一番難航した。お金は、父さんが学生の時から貯めていたお金で返済した。父さんは学生時代、バイト感覚で自身の商会を立ち上げ結構な利益を上げていた。その商会が順調に経営をし始めると、大きな商会に自身が持っていた商会を丸ごと売って莫大なお金を稼いだ。それを学生時代に何度か繰り返していたそうだから、凄いというか逆に呆れて物も言えない。

 だが、もう一つの条件である母さんは孤児院出身ということもあってほぼ文字が読めず、侮蔑的な目で見られとても落ち込んでいたという。それでも父さんは三日に一度のペースで何度も様子を見に行き母さんを励ましていた。その甲斐があってか二年程で母さんは礼儀作法を何とか身につけ父さんと晴れて結婚する事になった。

 父さん達の結婚式はオウルニィの礼拝場執り行われ、出席したのは当事者である二人以外は、兄であるウィリアムと婚約者のメアリー、そして母さんがいた孤児院の院長だけだった。

 そして翌年、伯父さん達も結婚式を挙げた。こちらは町中がお祭り騒ぎになるような、盛大な結婚式だった。


 父さんは当初、結婚して男爵邸を出て新居を構える気でいたが、伯父さんが「どうせ部屋が余っているのだから」と同居を勧めた。伯母さんも、元々姉御肌気質で貴族の嫁という立場に戸惑っていた母さんを気に入ったらしく同居する事を歓迎していた。なので、父さんは仕方なく同居をする事を了承したのだった。


 この話はオウルニィの平民の間に瞬く間に伝わり、オウルニィのシンデレラストーリーとして語られ、伯母さんと母さんはクーパー男爵家の大メアリーと小メアリーと呼ばれるようになった。


 結婚から二年後、伯父さん達の間に男児が誕生した。お祖父さんがアルウィンと名付け大層喜んだが、その半年後、領都からオウルニィに帰還する途中で落馬し命を落とした。

 私はアルウィン兄さんの誕生の二年後に産まれた。後に私がその時の事を聞いてみたら、父さんは喜びまくっていたが、母さんはほっとしたと言っていた。やはり貴族なので跡とりとか気にしていたのだろうと聞き返してみたが、実は母さんはアルウィン兄さんが生まれる同じ年に自身も妊娠したが流れてしまったらしい。……そりゃ、ほっとする訳だよ。


という訳で、異界でのアリアの両親の説明回でした。

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