復活12
家に帰り、ユリーナの数ある本から対策方法がないか探してみる。
魔法の精度はともかくとして、俺のように完全に闘気化ができた状態で何も魔法が出ないというのは極めて稀なようで、結局解決方法は見当たらなかった。
「雰囲気的には何か放出されそうだったんだけどなー。何が原因なんだろう」
「でも、あの闘気量でそのままの威力の魔法が放たれたら、威力はSランククラスが防御してやっと防ぎきれるかって感じだと思うよ」
ユリーナが言うならきっとそうなのだろうが、そもそも何も出ない以上素直に喜べない。
「そう言えば闘気量をコントロールするにはどうしたらいいんだ?」
「んー、普通は少しずつ増えていくから、コントロールは自然に出来るようになるんだけど、いきなり強い状態からそれを弱くコントロールするとなると……何回も魔法を使って感覚を慣れさせるしかないんじゃないかなぁ……」
「まあそうだよな。あとさ、闘気化できたってことは、魔法は放出されなくても身体的な強さは増したってことなんだよね?」
「そうそう、闘気を体に纏った状態を維持するだけだからね。その維持する量が多ければその分攻撃力も防御力も増すわけ。お兄ちゃんの場合は闘気量全開で戦ってもすぐには尽きなさそうだから、魔法が使えなくても相当強いと思うよ」
「なるほど。一応はあの状態さえ保てれば戦えるわけか」
焦らずに戦闘経験でも積めばそのうち何かできるようになるかもしれないな。
「魔法は使えなかったけど、お兄ちゃんは今後どうするの? もしあの学校に行くとすると、すでに闘和機構のトップクラスの人達と同等かそれ以上の闘気量はあると思うし、わざわざその下位組織の学校に行く意味はないように感じるけど」
たしかにその通りではあるが、本で得た知識と強大な闘気を手に入れただけで、まだまだ知らないことが多い現状だ。学校で基礎を学んだり様々な人と出会ったり色々なことを知っていきたい気持ちはある。
あと前世の学校生活が最悪だったからちょっとした青春を過ごしてみたい気持ちもある。
「どんなに闘気量が多くて身体的に強くても、相手の特有化の能力によっては何もできずやられる可能性があるわけだからね。そのへんの駆け引きや戦い方を知るには色々な人と触れ合うのもいいかなと思って」
「おぉー! わざと言わなかったけど、本の知識だけでちゃんと戦い方を理解しててすごい」
そう言いユリーナの右腕が光ると、前に見たバトルアックスハンマーが現れた。ただ、前回のよりはコンパクトな武器になっている。形状も少し違う。小さいハンマーにおまけで刃がついたような感じだ。
「闘気で相手を圧倒してても、特有化の能力が物凄く厄介な相手とかもいるから、どんな戦闘においても油断はできないのは鉄則だね」
「それがユリーナの特有化?」
「そう。全ての魔物を切り裂いて、粉々にしたいっていう憎しみの心が生み出した武器なのかな。ある日突然、修行中に具現化されて手のひらに現れたんだけど、力を込めれば込めるだけ切れ味と威力が増していく単純な武器なんだ。あとサイズや形態も結構変化できるよ」
そう言うと武器は一瞬で目の前から消えた。具現化も解除も思いのままに出来るようだ。
「とりあえず明日にでも早速学校に行ってみるかな。実際に入学するかしないかは置いといて、どういう感じの雰囲気なのか知りたいし」
「明日はギルドの依頼が入ってるから私は付き添えないけど大丈夫?」
「妹に付き添ってもらって学校見学とか恥ずかしいからいいよ、大丈夫。行き方だけ教えてもらっていい?」
「せっかく心配して言ってるのにぃー」
学校に行ってまずはシエノにでも頼ってみようかと思う。勧誘とかもやっていると言っていたから、きっと学校内で何かしらの権力はあるのだろう。




