復活11
「こんなに変化まで時間ってかかるものなの?」
「えっ……まだ何も変化はない?」
「全然」
「うーん、そんなはずはないんだけどなぁ」
ユリーナがそう言い、少し困った表情をした瞬間、突如として体が熱くなり同時に体の底からエネルギーみたいなものが湧き上がってくる感覚がした。
すると俺の全身が光り輝きだし、湧き上がる感覚のあったエネルギーのようなものが激しい勢いで体外へと溢れ始めた。
「えっ、なにこれ!? 特に痛みとかはないんだけど……大丈夫!?」
「すごい……! こんな闘気の勢い見たことがない!」
これが闘気か! よかった、なにはともあれ闘気なしの無能ではないようだ。
「え、てか、ずっと自動的に放出され続けてるけどやばくないの!? 全然コントロールできない」
「えーと、えーと……初めてのことだから……外からの力で抑えれるかやってみる!」
ユリーナが同じく闘気を放出させた。俺と同じように溢れ出た闘気で全身が力強く輝いている。
その状態で俺の体に触れるとユリーナはさらに強い闘気を放出させ、お互いの闘気の勢いで周辺の地面や草木が吹き飛んでいくほどだ。
ユリーナの闘気に包み込まれると、俺の溢れ続けていた闘気はしだいに抑え込まれるかのように消滅していった。
「……ふう、びっくりしたぁ。なんとか抑え込めてよかった」
「今のって……なんだったの?」
「多分だけど……私の闘気が体の中に入ったことが刺激になって、抑えられてたお兄ちゃんの闘気が完全復活したんじゃないかなぁ」
「なるほど……! じゃあもう普通に魔法とか色々なことができるようになったかな?」
「多分できると思うけど……でもまだ闘気のコントロールができてないから少しずつ加減を覚えてからの方がいいと思うけど……」
「まあそうだよなぁ……でも、やっぱり……ちょっとだけ試してみたい!」
ユリーナの許可を得る前に空へ向けて手のひらを広げて、体の中から闘気を出すようなイメージをしながら力をこめてみる。
「あ、お兄ちゃん! ダメだって!」
すぐに腕全体が光りだし、その光は全身にまで行き渡った。激しい勢いで闘気が体全体から溢れる状態となった。しかし先程みたいに体の底から自動的に溢れ出るような感覚ではなく、きちんと自分の意思で出せている。
「大丈夫。まだ暴走はしてないよ、コントロールできてる」
そう言いながらユリーナの方を見ると、慌てた様子が伺えた。
「コントロールは出来てても、加減は出来てないよ! このままの勢いで放ったら……!」
「空に向けて放てば大丈夫だよね? ……ヒートバスター!」
唱えた瞬間、さらに全身から闘気が溢れ、それは腕に集まった。明らかに何かが放たれるといった具合に尚も輝きが増している。
「いっけええええ!」
このタイミングだ……!
何でもいいから放出されてほしい一心で最後の気合を入れるも、結局そのまま何かが放たれることはなく腕に光が集まっただけで終わった。次第に全身から発する闘気も自然と弱まってきた。
なんというか……出そうで出ないこのモヤモヤ感……とても気持ちが悪い。
「はぁ……なんだ……ここまでできて、魔法は何一つも出せないって……」
「いや、逆に出なくてよかったけど……それにしても闘気量は充分すぎるんだけど……何が悪いんだろう……」
ユリーナが呟いた。
これでやっと輝かしい人生の始まりだと思いきや、やはりどうも上手くいかないな。
今度は転生時神様が魔法の才能をつけ忘れたのではないかという不安すら感じる。




