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復活9

 予定通り次の日から早速修行が開始された。しかし「まだ目覚めてから一週間だし、いきなり激しく体を動かして何かないとも言い切れないから、まずは座学からで!」とのことをユリーナから言われたので、魔法を使えるようになるのはまだ先になりそうだ。とても残念である。




「私が読み込んで厳選したこれらの本を頭に入れれば、その後の修行はきっと楽になると思うよ」


 ユリーナが目の前に次々と本を持ってきて山積みにし始めた。受験勉強で使った参考書サイズの本が50冊程度ありそうだ。


「私も強くなると決心してから、まずは全ての基本を知識だけでもマスターしようと思って本を買い漁ったんだ。まだまだあるんだけど、本当に役に立ったと思うものを厳選してるから」


 これで厳選してるのか。普通にすべて目を通すだけで何日かかるかわからん。そしてそれをきちんと頭に入れるとか無理ゲーすぎる。


「あ、ありがとう。ちょっと……とりあえず何冊か読んでみるよ」

「頑張ってね! じゃあ私は少し、ギルドからの依頼で魔王軍の討伐に行ってくるから。魔王軍の侵攻が少し激しくなってきた地域があるみたいで、そこのお手伝い!」


 支度を整え、明るい表情で家を出ていった。とてもこれから最前線で戦闘に行く者とは思えん姿だ。

 さて、文字だけの本は正直苦手なんだが、この世界の状況を知る上でも避けられないだろう。頑張るか。


 適当に手に取り数ページパラパラとめくってみる。図解や表やイラストもたまにあるがほとんどは文字だった。

 そして文字は思っていた通り小さくページにびっしりと書いてあり、改めて時間がかかるのを覚悟して読み進めることにした。





「あれ、どういうことだ」


 少し読むつもりがあっという間に一冊が終わってしまった。読んでいた時間は一時間程だろうか。こんなに本をサクサク読めたのは初めてだ。そして内容も完全に理解している。例えるなら頭の中に本を思い描くと、読んだところのページが出てきていつでも検索可能といった感じだ。


 もしかして、これは転生後の能力か? 速読と記憶力が半端ない。自分自身のことながら初めての体験に正直気持ち悪いくらいだ。


 試しに次の本も読んでみるが、同じだ。一冊目の内容も覚えつつ、二冊目の内容も次々に頭に入ってくる。

 天性の才能……これが最高のポテンシャルというやつか。やばすぎだろ。


 調子に乗って少し本気を出して、集中して読んでいくと目の前のノルマが次々に消えていった。一冊30分程で読み終えてしまった。





「ふぅ、ただいまー。勉強の調子はどう?」

「おかえり。半分くらいかな。明日中には全部読めそう」

「えっ、早いね! まずは軽く、一度全体を読み進めようって感じ?」

「いや、隅々まで読んで全部完璧に頭に入ってるけど」


 真面目な表情で言うと、ユリーナはきょとんとした表情を浮かべた。さすがに信じられないといった表情だ。


「そんな……それはいくらなんでも……」

「そしたら、この読み終えた本の中から問題出してみていいよ」

「うーん……えーと、簡単なところで……バスター系全7種類わかる?」

「バスター系か……火属性のヒートバスター、雷属性のサンダー、水属性のクール、風属性のウィンド、魔族にしか使えない闇属性のダーク、光属性のシャイン、無属性のオーラの7種類だったけど、最近レアバスターとして重力属性のグラビティが加わって8種類になった」

「グラビティはまだ広く認知もされてないし、わざと全7種類で言ったんだけど……すごい完璧」

「どう? まだまだいけるよ」

「じゃあ次は……世界最高額の賞金首の名前と最強と呼ばれている技は何かわかる?」

「カデナ連団の首領カガリアで、魔族のみが使える闇属性の技を使いこなすが、それだけではなく、通常魔族には使えない光属性の魔法も使いこなす。そのため魔族なのか人間なのかすら現在のところ不明。一応公式的には闇魔法と光魔法を同時に放つことで起こる“崩壊の輝き”という彼独自の使い方が最強の攻撃手段とされている」

「正解……説明も完璧……。最後! 魔王軍四天王の名前は?」

「惨劇のリューナ、巨大な大鎌を武器に戦い残酷無比に激しい出血を伴う殺し方を好む。暗殺家ザーナス、武器は両手に装着している鋭い爪のあるグローブで、俊敏な動きにより的確に相手を殺す。処刑人ラスター、全身真っ黒の鎧と身長程のある黒い大剣で圧倒的な力を見せつけ、一刀の破壊力は魔王にも匹敵すると言われている。獄炎のミルマルテ、槍のような巨大な杖を使い、あらゆる魔法を使いこなす。中でも魔界の炎と呼ばれる魔法はすべてを灰にする威力をもつ」

「本当に覚えてる……どういうこと……」

「俺自身も驚いててさ。頭の中にどんどん知識が入ってくる感覚。きっと……寝てる間に何か特別な力が覚醒したのかも」


 転生してると言っても信じれるわけがないだろうし、驚いた振りをして適当に誤魔化すのが良いだろう。


「いや、そうだよね……。明日残りも読んで全部頭に入ったら……実践に取りかかる?」

「そうだね。そうしてくれるとありがたい」

「うん、わかった」


 前世でもこの理解力と記憶力があれば受験とか余裕だったな。偏差値の高い高校、大学、その後は夢のホワイト一流企業。

 まあしかし、やっと異世界無双感が出てきたかな?

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