表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/4

異世界知識ゼロ

俺の名前は織田龍二。


人気俳優の織田○二と、名前は似ているが、中身は全く似ても似つかない。

かっこよくも無いし、勉強もできない、

得意教科無し、運動もできない、体育も、どちらかというと苦手教科だった。

運動ができないから、苦手だからやる気が無い、やる気が無いから苦手のまま。

当然、異性にも相手にされるはずもなく、なんとなく学校生活を過ごしていただけだった。


学校の同級生に、やたらと異世界ファンタジーに詳しいやつがいた。そいつが自慢気に話すのを、横目で聞いていた記憶だけはある。

できることなら、本当に織田○二みたいに大活躍して、女子にもモテたかったんだけどな。


そして、卒業後はIT関連企業に就職した。

そして、情報処理の部署へ。取引先企業のデータベース入力などを、主に行った。


異世界とは全く無縁の人生を送るかと思われていた。ところが、あることをきっかけに、俺の人生は大きく変わる。


俺の家は、河川敷(かせんしき)の近くにある。家の窓から川が見え、近くの鉄橋には電車が音を立てて走るのが見える。

そのすぐ横には、自動車の走る高架橋も架かっている。


ある夜。その日は夜更かしをしていた。


すると、雷が落ちたかのような轟音(ごうおん)と、雷に打たれたような衝撃を体に感じたのと、次の瞬間、まばゆい光が包み込む。

次の瞬間、見たことも無い場所にいた。

「おいおい、ここはどこなんだよ。」

ここは、どう見ても河川敷(かせんしき)ではなく、うっそうとした森の中だ。

川らしきものも無い。電車の走る鉄橋も無ければ、自動車の走る高架橋も無い。

いったい、ここはどこなんだ。方角もわからないまま、さまよい歩いた。


地図を調べようにも、調べようが無い。

どうやらここは、地図には載っていない場所のようだ。

森を抜けると、今度は草原が広がり、川が流れている。しかしやはり、電車の鉄橋も、自動車の高架橋も無い。


ふと、異世界ファンタジーのことを自慢気に話していた、あの同級生のことが頭をよぎった。もしかして、あいつが話していた、異世界とかいうところなのか?と思った。


これからこの異世界で、どうやって暮らしていったらいいんだと、途方に暮れたこともあった。

何しろ、こっちの世界では、俺たちの生きていた世界、つまり、現実世界の常識とか情報とかが、まるで役に立たないからだ。

今まで、情報処理の仕事をしてきて、いざこっちの世界に来てみたら、そんな堅苦しい情報なんか、必要無いんだとよ。

今までの仕事の中で得てきた能力も情報も、こっちの異世界では何の役にも立たないという、カルチャーショックを受けた。


しかし、気落ちしていられない。俺は、

この異世界での生活に順応するため、新たなスキルを手にした。

それが、『のんびり農業ライフ』と、『のんびり畜産ライフ』というものだ。

いろんな野菜や果物や穀物を育てながら、のんびり過ごす、時間に追われることも無い生活だ。

納期に追われることも無い。自分たちの育てた作物は、全て自分たちが売り買いしたり、調理して食べたり、加工して食材にしたり、あるいは、食肉、牛乳、卵、毛皮なんかも、自分たちで好きなようにしていいという。

そんなこんなで、のんきに日々を過ごしているのだが、この先もこんな生活が続いていくのか?


その日の夜は、とんかつと、採れ立て野菜のサラダを食べた。とてもおいしかった。

それと、これも採れ立てのオレンジの果汁

100%の、オレンジジュースを飲んだ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ