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ヴァンパイア キス

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

恋愛です。R15です。

苦手な方はご注意下さい。


オマケも何時か書きたいなぁ。

何度も言うようではあるが、私の彼氏は好色である。よく少女漫画に出てくる相手方は『性欲がない』何て言うけれどそんな事はない。決してない。それは私の今の彼氏を見ていれば分かる事だろう。

ある時、私に少女漫画を貸す時に言った言葉。自分もそこそこ読むけれども、それは置いといてと言わんばかりの言葉。

「女の子って、少女漫画好きだよねぇ」

「うーん。現実に無いことは分かっているから、夢くらい見たいと言いますか」

「ふぅん。あぁ、なるほどね」

この時の半眼に気が付けば良かった。


「今日、家においで」

この一言に既視感を覚えた。なんだろ……。

「……え、いや……遠慮しておく……」

夕暮れのホームルームが終わって片付けをしている時の事、彼は全ての荷物を纏めて私の前の椅子に腰掛けた。机に肘を着いて間合いを詰める。普段は開かれた双眸が、今だけは蠱惑的な半眼になる。完全に目を細める前段階。

何時も半端でも合意をしてしまうと、そのままゴリ押しで彼のペースに乗せられるので、やんわり拒絶する。あんまり目を合わせないようにしないと。じゃないと何時また流されるか分からない。

「何か用事でもあるの?」

「何も無いけどさ。ただその……君はやらしいから……」

最後の方は消え入りそうな声になってしまった。そうなったのは単純に恥ずかしいから。間違っても日常会話で言うことじゃないよね。うぅ。

そう言うと、彼は特段傷付いた様子もなく、ころころと笑って机の上に置いた私の指に触れる。最後の一冊、彼から借りた少女漫画を返そうと上に乗っていた指だった。

「男として見てくれているようで、とても嬉しいよ。でも恋人と恋人らしいことしたいと思うのは、おかしな事なのかな? 髪を撫でたり、抱き締めたり、キスしたり。女の子にもない?」

「……」

いや、普通のことですけどぉ!! 世の女子だって普通に憧れる事ですけどぉ!! その動作一つとっても好色と言うか、蠱惑的というか。もっと親愛に満ちた触りでも良いと思うのだ。その違いを説明しろと言われたら難しいのだが。

一人困惑していると、漫画を彼に押し付けるのを拒む様に上から包まれる。

「俺に触られるのは嫌?」

「嫌ではないけど、は……恥ずかしいんだよ!! 何時も流されちゃうし!!」

「嫌じゃないんだ」

そう叫んで恐る恐る彼を見つめると、そりゃもう溶けるような笑顔で此方を見詰めていた。見詰め続けていると流される。さっさと帰ろう。そう思って手を退けようにも、彼の指が邪魔しにかかる。

「漫画返すから離して欲しいんだけど」

「やぁだ。来るのを肯定してくれたら離してあげる」

「うぅ……」

必死になって振り払おうにも、しっかりと絡み付き、離す意思はない。こうなると何時も折れるのは私の方だった。


「さて、いらっしゃいな」

「お邪魔します」

部屋に着くなり、全てを守る為に体育座りをする。これで胸も腹も太腿も、何一つ触れる事は叶わない。これが私の出来る精一杯の抵抗だった。

彼はそんな私を見て、くすくすと笑いながら隣に腰掛けた。そうして気持ちを落ち着ける様にそっと髪を撫でてくる。

「髪、とっても長いよね。何か訳あるの?」

「憧れだったんだ。少女漫画の女の子が長い髪を指に巻き付けるの。何か、可愛かったから……」

勿論、それも理由の一つである。けれども核心に迫るもう一つの理由は、羨ましかったから。少女漫画で髪を撫でられている主人公に憧れがあった。だから今、と言うか何時も願いは叶っているのだが。

「こうやって?」

彼は笑いながら髪をひと房とって、指に巻き付ける。毛先が暴れ回り、頬に当たる。擽ったい。

「そう。でも擽ったい」

やんわり断りを入れると、頭に手を置いて、髪を掻き回す様に指に巻き付ける。頭上で渦を巻かれて、ぐしゃぐしゃにされる。これ、見た事ある。彼が貸してくれた少女漫画『ヴァンパイア キス』のワンシーンだ。確かその後は。その後は……。

確か首筋が晒された。バラバラと落ちた数本の髪が、肌に掛かって色っぽかった。そうしてそのまま。

「ひぁっ」

噛み付いたのだ。そうして強く、強く吸い付いた。痕が残る程に強く。そうしてその痛みで現実に引き戻される。漫画の一幕と現実が交錯して、混乱したままに口に出す。

「な……なんで?」

「今日貸した漫画の一巻目にそんな話が出てきたから、そうされたいのかと」

……そう言えば、あの漫画の主人公も髪を指に巻き付けていたな。そうして今、思い出した。帰り際に私の前に座って家に誘われるのも、髪を指にくるりと巻き付けられるのも、こうして……項にディープキスされるのも。

「た……他意はないよ!!」

「君にその気がなくとも、此方にはあるんだよ」

その双眸はこの漫画の吸血鬼の様に蠱惑的だった。



《イブニングドレス着てて、首筋にチューしてれば何でも良かった異世界パロの元ネタ 続く……の?》

私の街の風習。数千年に一度、この土地の領主にまだ大人に成りきれない少女を献上する。少女は領主直々に指名される。そうして、少女がこの街に戻ってきた事は、ただの一度として無いと言う。この街を守る為に行われる風習。吸血鬼に捧ぐ、贄の風習。

そうして今代は私だった。別に良い。孤児だったし、孤児院で子供の面倒を見るのが私の役目であった。別に私一人抜けても困る事は無いだろう。

そうしてただ一人、迎えの馬車に乗り込んで、領主が待つ壮大な城へと向かった。

「緊張しなくて、良いからね」

遣いに連れられて城を訪れた私を出迎えたのは、一人の若い青年だった。彼は大股で此方まで間合いを詰めると、するりと腰を抱いた。それから挨拶代わりと言わんばかりに額にキスを一つ落とした。

「ひぇっ」

「緊張しなくて良いからね。だって夜毎の事になるから」


城の住人であり、今代の当主である彼は、私にイブニングドレスを纏わせると、満足そうに微笑んだ。裾の広がったシフォンのドレス。肩口と首筋が剥き出しのドレス。それはこの当主の趣味というよりも、生命的な本能が関わって来ている。

「とても綺麗だ。噛み付きたくなるほど」

「……それを言うの、私で何人目?」

「君が初めてだよ」

そう言って、今度は頬にキスを落とした。

オマケのパロディのタイトルが長すぎて『ふひっ……(´º∀º`)』って顔してます。


最初、ナイトドレス着させて項にチューしてくれれば何でも良かったので、舞台装置として異世界パロにしようとしてました。

まぁ、変わったので『ネオンの小部屋で待ってる』の二人にしようと思います。


少女漫画見たいな事がしたいのかな?

という発案から少女漫画を踏襲したような振る舞いをしてます。

そうじゃなくとも、何時だって好色ですが。


少女漫画読むようになったのは、ねーちゃんが持ってるのが気になっていたから。

でも貸してくれなかったので自分で買ってそう。

前に付き合っていた先輩に『こういうことされるのねぇ、女の子好きなんだよー』という悪知恵な気がします。


『可愛いな〜』って思ってる時の笑顔作る前段階が半眼。

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