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Endless WAR  作者: 嵯峨時政(さが ときまさ)
23/72

Phase2-0『蛇足』

Phase 2-0 22/8/15 投稿

――――――――――†――――――――――

Phase2-0『蛇足』


 アルキリオ中央区 資料室


 メリッサがあれこれと騎士隊メンバー表を見比べながらうんうんと頭を抱えていた。

「セイがラウンドナイツに入隊できた理由、なんっかあるはずなのよね……」

 ぽっと出の田舎少年が第一親衛隊というエリート部隊に入れるなんてそうそうあることではない。つまりその理由、弱みなどがわかれば自分もラウンドナイツに入隊することが出来るかもしれないのだ。

 自分の持つ第一防衛隊の権限を総動員してラウンドナイツの情報を引き出していく。

「とはいっても、多分ないわよねぇ……」

 はぁ、とため息交じりに書類を精査していくものの、ラウンドナイツに関しての情報は驚くほど少ない。

 キリアリスについては名前と実家が今はもうなくなった鍛冶屋ということ、ブレイドとシールは実家が名家の為実家の情報は豊富だが、本人たちの情報は武器が名剣、名槍ということくらい、バーンに至っては名前だけという徹底ぶり。さらに言うなら過去メンバーの情報はすべて抹消済み。

「……」

 ずっとラウンドナイツへの編入を希望して通っていた為亡くなったメンバーも数名面識がある。

 魔術で消されたのか、あからさまに抜けている頁。人の居た形跡をこうも綺麗に消されているのを見ると少し、寂しくなった。

「とと、センチメンタルに陥ってる場合じゃないわね、セイの情報は……」

 ぺら、ぺら、と白紙の頁をめくっていく。

 これはもう削除済みかなぁと最後の頁に近づいたとき、ぱら、とページの間から一枚のメモが落ちた。

「何かしら」

 拾ってみて、メモのトップに書かれている名前に思わず目を見開いた。

「セイ・ディリブ=フロクレス……これ、セイの情報を写す前のメモだわッ」

 誰の字だろうか、綺麗に箇条書きでまとめられているところを見るときっとマメな人間が書いたのだろうということがわかる。

「なになに」

 さっそく読んでみると次の事が書いてあった。

・出身地     /// ナハト

・出身家 ディリブ=フロクレス 詳細不明

・使用魔術 阻害(脅威度E)

・使用武器 なし

・騎士経験 なし

・戦闘経験 なし

・配属予定部隊 第一親衛隊ラウンドナイツ

・その他 アルキリオ東方、国境付近の森にて保護。敵兵 通称『混沌』との交戦後、アルキリオにて彼の知人と思われる人物により襲撃されたものの、撃退。以降アルキリオ中央区で身柄を保護、監視下に置くもののとする。


「……」

 走り書きの為、色々と疑問点が多いがその中でもメリッサが気になったのは出身地の箇所。そこに書いてある名前、アルキリオ南部にあったとされる『ナハト』、これは確かキリアリスが三年前捕まっていたとされている村の名前ではなかったか。しかも、その三年前の時点で村は壊滅、無くなっているはず。

「つまり……」

 一度消した跡がある為、明らかに書き換えられたものだろう。つまり、彼の出身地を偽装するつもりだということ。

 抹消ではなく、偽装。おそらくこれがきちんと書類として落とし込まれる時にはもしかしたらもっと疑いを持たない村や町に書き換えられているかもしれない。

 そこまでしなければならない情報。

 メリッサはメモをそっとメンバー表の頁に挟みなおすと、そっと本棚に戻し、その場を後にする。

 おそらく、自分には不相応な情報を知ってしまった。絶対に口外してはならない、下手をすれば自分の身の安全に関わる。

 だが、情報管理をそこまでしなくてはいけない少年、セイ。

「あいつ、いったい何者なの……」

 眉を顰め、かつかつと静かな廊下を早足で帰っていく。彼女はまだ、深まっていく少年の闇に、足を踏み入れたばかりだ……。


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