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Endless WAR  作者: 嵯峨時政(さが ときまさ)
11/72

Phase1-3『ラウンド・ナイツⅠ』

Phase 1-3 22/5/22 投稿

――――――――――†――――――――――


「えっ、待て。隊員交換の部隊わざわざ断ったのに結局やるのかよ」

 ラウンドナイツ宿舎へ戻って早々キリアリスの部屋で相談するなり、彼は真っ青な顔をしながら言った。

「セイ、お前が行くのはまぁ、二つ返事で許可するけどさ、あっちの部隊からもメンバーを預からないといけないんだぞ、わかってるのか」

 やれやれ、とクロード賢士と同じように頭を抱えるキリアリス。なんとなく二人は似ている気がする。

「ああ、そこまで考えてなかった。

 けどクロード賢士が選出関係はキリアリスにどうにかしてもらうよう言っていたけど」

「マジかよ……」

 正確には俺が選出されるように依頼しておくよう言われただけだがそれは黙っておく。

「ところで、さすがに他所の部隊に行くなら最低限の敬語……というか丁寧な言葉使えたほうがいいんじゃないのか」

「……む」

 もっともな意見に言葉が返せない。

 確かに今回の隊員交換に限らず、敬語が使えたほうがいい場面が絶対あるだろう。

 特に、自分の目的を果たすのであれば、誰かの懐に入り込まないといけないことも多くなるはず……。

「なるほど、それは確かに。少し本を読むなり練習するべきか……」

「なんならシールにでも教えてもらえ。

 あと二週間だけど付け焼刃でも多少違うだろう。ま、俺も敬語は全く出来ないけどな」

 シールというのはラウンドナイツのメンバーで、『シール=ランス』という女の子だ。

 俺よりも年下なのだが身長が俺より高いうえに……とても、強い。

 名は体を表すというが、有名な貴族……槍使いの家系らしく、それなりに長物を使えるらしいが、基本的に投擲するものを使っているところしか見たことがない。

 話に出たように生まれがいいので確かに言葉を教わるなら彼女だろう。

「同じ宗派の家系の出でもブレイドは駄目だけどな。あいつはお前と別の意味で口が悪い」

「誰の口が悪いってさ、隊長」

 そう言って現れたこの小さい少年の名前はブレード=ナイツ=ライン、愛称はブレイド。こちらも読んで字の如く騎士の家系である。

 シールが槍の家系でブレイドは大剣の家系、というとわかりやすいだろうか。

「お前だブレイド」

 そして後ろからやってきてブレイドの頭を鷲掴みにした長髪の女性はバーン、副隊長である。なお女性であることをコンプレックスに感じているのか、その辺を指摘すると非常に怒るので注意が必要。

「うっ、副隊長……」

「ほら、今日の食事当番俺とオマエなんだから、行くぞ」

「はぁい……」

 しゅんと大人しくなったままバーンに連れられて行くブレイド。なんでもいつぞやの訓練でバーンにボコボコにされたらしく、それ以来言うことにはしっかり聞くことになったらしい。

「何しに来たんだあいつら……」

 呆れるキリアリス。ちなみに彼こそ四十ほどある部隊の頂点、第一親衛隊ラウンドナイツのゼイミ=キリアリス隊長である。

 彼は『グングニルのオーディン』と呼ばれて恐れられているのだが、俺は彼が剣で戦っているところしか見たことがない。しかも二度だけ。

 グングニルと言えば、誰もが知っているであろう神槍のはずだが……。

「何小難しい顔してるんだ」

「いや、別に」

 ……キリアリスの武器については今考えても仕方がない、今は早めに隊員交換の準備をするべきだろう。

「とりあえずキリアリスはここに署名を。

 後の書類は俺が全部手配するから……」

「……セイ」

 不意に名前を呼ばれ、作業に入ろうとしていた手を止め、キリアリスに向き直る。

 視線が合うと、キリアリスは少し呆れたようにため息をひとつ零した。

「お前が何を企んでいるかは知らないが、俺は基本的に協力することにしている。

 俺は頭が悪いんでな、お前が何をしたいのか想像もつかないが……何をやるのかくらいは早めに伝えておけ」

 そう言いながら俺の渡した書類に署名を済ませ、こちらに渡してきた。

「今更だけど、キリアリスはなんでそんなに俺に協力的なんだ」

 第一親衛隊の隊長、軍のシンボル的存在。

 本来そういった活動で忙しいにもかかわらず、俺の話や依頼はほとんど断らない。

 正直、何か裏があるのではないか、と勘繰ってしまうのだが……。

「何故……か、前も言ったが俺のためだよ。俺の目的の為に必要なことらしいからな。

 ……今のとこ、俺もどう必要なのかわかってないんだけどな」

 要領を得ない答えが返ってくる。どこからか指示でも来ているということだろうか。だが、クロード賢士からの指示ではなさそうだし、それ以外に指示が出来る人間も思いつかない。なによりいったい俺に協力してどんな目的が達成できるというのだろうか。

 疑問は深まるばかりだが、これ以上問いただしても俺が求める答えは返ってこないのだろう。

「了解。

 では隊員交換の準備をするので俺はこれで」

 言って必要な書類を纏めた俺はキリアリスの部屋を後にした。

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