1話 目が覚めたら推しの部屋でした
ある日目が覚めたら乙女ゲーの世界だった。
「おはようございます。」
?
聖也?
んんん?
え?
っていうか、
ああ、私まだ寝てるんだ。
起きなきゃならないんだけど。
「まだねむいですか?仕方がないですね。」
「じゃ、こうして目を覚まさせてあげますね。」
っていきなりキス?
うわあ。
私、ヤバい奴じゃん。
夢妄想しすぎ。
だからこんな夢を。
「ちゃんと起きたら、ここに朝食用意してありますからね。食べてくださいね。
それでは、私は仕事に行ってきますから。」
そういえばおなかすいたな。
夕べ疲れて、夜ご飯食べないで寝ちゃったんだった。
ちゃんとおなかが減るからまだ健康なのかな。
最近忙しかったからあ。
起きて朝ごはん食べるかな。なんかあったっけ。
とか考えながらむくっと起きだそうかなあと考えていると、
私の大好きな乙女ゲームの推しの聖也がもうしっかりと身だしなみを整えて、仕事に出かけるところだった。
っていうか、ここは聖也の部屋なのか。
ゲームの世界では部屋とかまだ出てなかったよなあ。
こんな部屋に住んでるのか。
はあ、男の子の一人暮らしの部屋かあ。
いいなあ、涎。ごっくんだ。
などと思いつつ、いい夢過ぎるけど起きなくては、それに夜中この聖也のゲームしながら寝落ちしちゃったから、放置してあるイベントのとこやらなくてはとりあえず起きてコーヒーでも飲みながらポイント稼ぎしなくては。
それにしてもカラフルな夢だなあ。
それになんかオムレツのいい香りがする。
はあ、多分無意識におなかが減りすぎてこんな夢を見るんだなあ。
ちょっとまずいかも体がsos出してるのかもしれん。
はあ、どうするかなあ。
「あ、一応言っときますが、これは夢ではありませんよ。」
へ?
なんですと?
夢じゃないからとかおっしゃっているんですけど。
私が夢だと思ってる前提?の夢?
っていうかこの夢どういう設定なのよ。
なんで私が聖也の部屋でこうしてベッドに寝てるんだ?
恋人設定なのかな。じゃ、聖也編はクリアってこと?
クリア後の世界なのか。
同棲とかしてる設定なのかな。