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第165話 新たな石碑の情報

 魔力量の消費は激しいがどこにでも瞬時に行くことができる転移スキル。

 これを習得した玲奈と幸はともに問題なく使うことができた。


「行けたよ。キルス」

「はい、問題ありませんでした」


 転移スキルとは自分が行った所にしか転移出来ないという条件があるが、疑問として他人の転移スキルで行ったことがある場所はどうなんだ。

 そんなことが上がった。

 そこで、玲奈と幸の2人は試しに転移してみた所、無事にバイドルに戻って帰ってくることができたという。


「そうか、となると色々行けるな」


 今後どこかに家族で行くときに1人で転移を使う必要がないことを思い、キルスは喜んだ。


「そうだよね。あと、王都とかバイエルンとかも行けるんだよね」

「はい、後はシュレリーさんのトーライドもですね」

「あっ、そっか、ここに来る途中で行ったよね」

「いいな、2人とも私も覚えたい」


 それを聞いてシュレリーが心底うらやましそうに言った。

 というのもシュレリーは休日になるたびにキルスに頼みバイドルに転移して、従弟妹たちと遊んでいた。

 そのためキルスの手がふさがっていると遊びに行けないし、何より毎回キルスに頼むことに申し訳なさもあった。

 だから、自分で転移出来ればいつでも好きな時に従弟妹たちに会いに行けるというわけだ。


「シュレリーも翻訳スキルを習得すれば覚えられるし、魔力量もバイドルとトーライドぐらいなら問題なく転移出来るぞ」

「ほんとに?! ああ、でも、翻訳スキルかぁ、どうやったら習得出来るの」


 キルスから聞いてシュレリーはやる気に満ちた表情で習得方法を尋ねた。


「翻訳スキル習得は3つの言語の習得と5つの言語を学ぶって条件があるんだよ」

「えっと、言語? でも、この大陸って1つしかないわよね」

「ああ、だから習得者がいないんだよ」

「なんだ、それじゃ、無理じゃない」

「まぁ、でも、俺は条件を満たしてるし、シュレリーなら多分すぐに覚えられるんじゃないか」


 シュレリーはギルドの受付嬢をしているだけあってかなり頭がいい、ならすぐに残り2つの言語を覚えられるだろうとキルスは思っていた。


「ほんとに、じゃぁ、覚えてみようかしら」


 シュレリーはもっとたくさん可愛い従弟妹たちと遊ぶため必要のない多言語を学ぶ決意をしたのであった。


「あっ、でも、そうなるとまたキルス君に迷惑かけるかな」

「ああ、それなら、大丈夫だよ。というか3つうち1つは玲奈と幸も普通に使えるしな」

「そうなの。あっ、そっか、レイナちゃんとさっちゃんも異世界から来たんだっけ」

「そうそう、あと玲奈なら多分英語も教えられるだろ」


 そういってキルスは玲奈の方を見た。


「英語? うん、学校でやったからね。でも、あたし、英語はしゃべれないよ」

「それについては、俺だって同じだよ。俺が習得している言語の残りは前世で召喚されたハエリンカン王国の言葉だからな」

「ああ、そっか、そういえばそうだったね」

「えっと、レイナちゃんさっちゃん教えてもらっていいかな」

「いいですよ。あたしももう少ししたら暇になるし、転移も覚えたので教えに行きますよ」

「わたしも、大丈夫です」

「ほんとに、ありがと」


 こうして、シュレリーは翻訳スキル習得のために玲奈と幸、キルスから多言語を学ぶこととなった。


「シュレリーが覚えるなら私も覚えてみようかな」

「あっ、それいいかも」


 とここで、話を聞いていたエミルとニーナも一緒に覚えてみようと考えた。


「いいなじゃないか、まぁ、姉さんならトーライドぐらいなら行けるけど、ニーナ姉さんは難しいと思うけどな」

「そうなの、それは残念ね」


 そういうニーナであるが、自分でも分かっていたためにそこまで残念には思ってはいなかった。


 その後再び水着に着替えたキルス達は引き続き海水浴を楽しんだ。

 一方で、コルス、レーラ、レティアの元冒険者達、フェブロという元兵士の面々で石碑見物に向かったのだった。



 そうして、時が経ち石碑見学から帰ってきた4人のうち冒険者として王国中を駆け巡ったコルスとレーラからある情報が入った。


「見たことある?」

「ああ、あれはどこだったかな」

「確か、トーライドから北西のコーダスの近くだったと思うけど……」


 情報とは新たな石碑のことだった。

 その石碑は、コルスとレーラがまだ冒険者として活動していた時に、トーライドから北西に向かったコーダスという街近くで見たという。


「実際にこの目であの石碑を見て思い出したんだ。なぁ」

「ええ、そうね。あの時もなんだからよくわからなくて。いままで忘れていたほどよ」

「あははっ、まぁ、そうだよな」


 スキルの石碑は全く読めず、よくわからない物体でしかない。


「じゃぁ、今度行ってみるよ」

「ああ、そうしなさい。俺たちも、今後調べてみるから」

「うむ、ワシも昔の部下たちに尋ねてみよう」

「ありがとう爺ちゃん達、婆ちゃんも」


 それから、キルス達家族は時間一杯海水浴と家族旅行を楽しんだ後、家に帰ることとなった。


「それじゃ、キルス君、今日はありがとうね。楽しかったぁ、みんなも、またね」

「やだぁ、おじいちゃんといっしょがいい」

「あらあら」


 トーライドによりコルスたちを送ってバイドルに戻ろうとしたところで、シュレリーがキルスにお礼をいい、アルエがコルスと離れるのが嫌だと駄々をこね始め、レーラが微笑んでいた。


「ふふっ、だったら、今日は家に泊って行ったらどうかしら」


 そこでリミルファがそう提案をした。


「でも、こんな人数では……」


 キルス一家はコルスたちを覗いて総勢19人いきなり止まるには多すぎる。

 それを思ったファルコが迷惑だと遠慮しようとした。


「あら、大丈夫よ。みんなで泊まるぐらいは問題ないわよ。ねぇ、あなた」

「そうだな。まぁ、個室とはいかんがな」

「いいの!」

「ええ、いいわよ」

「まったく、しょうがないわね。じゃぁ、父さん、母さん、今日は世話になるわね」

「ああ、そうしろ」


 こうして、キルス一家はその日トーライドのコルスの家に止まることとなった。

 ちなみに家族旅行に同行していたターナーはさすがに混ざれず、また明日の仕事もあるためにバイドルに帰ることとなり、キルスが送っていくこととなった。

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