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第164話 石碑観光

 始めにレティア、エミル、ニーナ、シュレリーに泳ぎを教えたキルスと玲奈であったが、この4人があっという間に泳ぎを覚えてしまったことに、若干戦慄していた。

 その後、4人も加えて残りの希望者であるオルク、ロイタ、キレル、ローク、オーレル、キャシアとミレアにそれぞれが泳ぎを教えることとなった。

 ちなみに、レティアの両親である、コルスとレーラは元冒険者であり、レティアの両親だけあって、レティア達の様子を見ただけで、すぐに泳ぎを覚えたようで、教えるまでも無かった。


 そうして、オルクたちもまた、やはりとんでもない運動神経の持ち主だけあり、すぐに泳ぎを覚えた。


 こうなると、泳げない者はルニアとアルエ、ファーレスとサーラン、アメリア、幸、ターナーだけとなった。

 子供たち4人はまだ幼いために、泳ぐよりも砂遊びに夢中になっており、それを笑顔で見つめるアメリアは年齢的にも運動能力的にも泳ぎたいとは思っていない。

 となると、残りは幸とターナーとなるわけだが、ターナーの面倒は友人であるエミルとニーナとなり、幸はどうするか今だ迷っていた。


「さてと、そろそろ昼か」

「みんなー、ご飯できたよ」


 ふと空腹を覚えたキルスがそうつぶやくと、すでに昼食を用意していたファルコの声が上がった。


「はーい」


 すでに軍用とはいえ泳ぐことができるファルコは昼食を準備していたのだった。



 それから、キルス達一家はファルコが作った昼食をワイワイと楽しく食べた。



「さてと、昼からはどうする」

「まだ、あそびたい」

「あそぶー」


 キルスが午後の予定を聞くと、子供たちは両手をあげて遊ぶと宣言。


「そうか、じゃぁ、俺たちは石碑に行ってくるか?」


 キルスは玲奈と幸に向かってそういった。


「あっ、そうだった。忘れてた」

「お、お願いします」


 玲奈は久しぶりの海水浴に本来の目的を忘れていたようだ。


「忘れてたって、まぁ、気持ちはわかるけどな。っで、行くんだろ」


 忘れていた玲奈に若干あきれつつも、その気持ちはわかると言いながら、改めて尋ねた。


「うん、お願い」


 というわけで、キルス、玲奈、幸の3人は転移のスキルを習得出来るスキルの石碑の場所に向かうこととなった。


「それで、石碑ってどこにあるの?」


 玲奈が尋ねた。


「ああ、あそこだよ」


 そういって、キルスが指さしたのは、近くに見える丘のうえだった。

 そう、実はキルス達が海水浴をしている砂浜と石碑はすぐそばで、この砂浜も石碑から見えたことで発見していた。


「あそこって、すぐそこじゃん」

「へぇ、あんなところにあるのね」

「ずいぶんと近いな」

「ねぇ、キー君、私も石碑、見てみたいんだけど」

「あっ、私も」


 石碑の場所が近いことに、玲奈が驚き、レティアが感心し、フェブロもまた驚いたところで、ニーナとシュレリーが自分たちも見てみたいと宣言。


「別にいいけど、なんで?」


 キルスは不思議に思い尋ねた。


「ほら、私たちってギルドの受付じゃない」

「一度見ておけば、今後石碑の情報が入った時にキルス君に教えることも出来るでしょ」


 2人は受付嬢、それぞれの地域の情報は細かく仕入れることが可能であり、場合によっては各地の情報も仕入れることができる。

 そうなれば、スキルの石碑の情報も得られるはずであると、そして、その場合一度見ておけば、その情報が正しいのかを判断することができるという。


「ああ、たしかに、他の石碑を探すことを考えればいいかもな」

「でしょ。それに、以前キー君から聞いた話からすると、石碑って同じなんでしょ」

「まぁね、といっても俺が見たのは鑑定と転移の2つだけだけど、形とかは同じだったよ」

「じゃぁ、なおのこと、見ておく必要がありそうね」


 そんなわけで、ニーナとシュレリーの2人も石碑の場所に行くこととなった。



「じゃぁ、行ってくるよ」


 というわけで、着替えたキルス達は5人でスキルの石碑のある丘に向かって歩いていったのであった。



「へぇ、これが?」

「聞いていた通りの形ね」


 石碑にたどり着いたニーナとシュレリーはさっそく石碑のメモを取ったり、絵をかいたりして観察を始めた。


「んじゃ、さっそく転移を覚えるか?」

「うん、そうだね」

「はい、えっと、どうやればいいのでしょうか?」

「簡単だよ。普段使ってる翻訳スキルを意識して使えばいいんだ」

「意識して……うわぁ!」


 キルスに言われさっそく玲奈は石碑に向かって翻訳スキルを発動した。


「きゃっ!」

「きゃぁ!」

「……」


 その瞬間石碑が光り輝き、観察していたニーナとシュレリーが同時に短い悲鳴をあげる一方、幸は絶句していた。


「えっと、これでいいのかな、あっ、ほんとだわかる。えっと、こうしてっと、転移」


 玲奈は覚えた転移スキルをさっそく使ってみた。

 その転移先は、家族たちがいる砂浜であった。


「あれっ、レイナおねえちゃん」

「あっ、ほんとだ」

「あら、もう、覚えたの」

「はい、ほんと、凄いですよこれ、あっという間に帰ってきちゃった」


 玲奈が突然現れたというのに、家族たちは誰一人驚いていなかった。

 それは、キルスがこれまで何度も行っていることで、みんな慣れたからであった。


「……すごい、レイナちゃん」


 尤も、慣れていない、ターナーだけは驚愕していた。



「えっと、玲奈は無事戻ったみたいだな。幸も覚えたら、使ってみるといいよ」

「は、はい、頑張ります」


 幸もまた、さっそく石碑に向かい翻訳スキルを発動。

 今度もまた、光が発生したが、今回は身構えていたこともあり、ニーナとシュレリーは悲鳴をあげることはなかった。


「えっと、覚えたと思います」

「おう、じゃぁ、玲奈と同じように使って見な」

「は、はい」


 幸はじゃっぁん緊張しながらも転移を発動……その瞬間玲奈の隣に転移したのだった。

 その後、キルスもニーナとシュレリーを連れて転移したのであった。

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