表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/237

第131話 オークの殲滅

「なんだとー!」


 案の定情報を持ち帰ったところ、女性冒険者たちは憤慨した。


「それで、規模は?」

「え、えっと、その……」


 女性冒険者たちの形相にたじろぎ、しどろもどろとなった男性冒険者に代わり、キルスが説明を始める。


「規模はかなりだな、確かに、あれなら上位種はもちろん、キングもいるだろうな。実際に集落の奥の方にただならぬ気配がした」

「キング……」


 キルスがキングがいるといった途端、憤慨していた女性冒険者たちもさすがに怖気ついた。

 オークキングという魔物は、オークの最上位種で、通常のオークが脅威度Dなら、上位種となるとCとなり、キングまで上がるとBまで上がってしまう。

 つまり、冒険者ランクでいえばB相当でなければ闘えないのだ。


「まぁ、キングをはじめとした上位種は俺とシルヴァ―で引き受けるから、みんなは他のオークの討伐と、おそらく捕まっている女性陣の保護を頼む」

「ああ、そうだね。たしか、あんたはBランクで、従魔がフェンリルだったね。わかったよ、任せてもいいかな」

「おう、任せろ」


 そういうことで、その日は夜まで待ってオークの集落に夜襲を仕かけることとなった。


 そうして、夜。


「それじゃ、最後に作戦の確認だよ」


 夜襲を仕かける前、指揮を取ることとなった女性冒険者のサミアナが、小声でありながら全体に響く声で作戦の確認をしていく。


「……以上だ。さぁ、みんなぁ、やるよー」

「おおー」


 こうして始まったオークの集落襲撃開始である。



 襲撃は、まず、遠距離から弓や魔法での攻撃となった。

 俺はシルヴァ―とともにそれを陽動として集落の奥、キングがいると思える場所に向かってひそかに進んでいた。


「今だー、いけー」


 奥に進んでいると、集落入り口からそんな声とともに、集まっていた冒険者が一気に攻め込んだ。


「始まったか、それじゃ、俺たちも行くぞ、シルヴァ―」

「バウン」


 キルスとシルヴァ―も気合を入れて、集落の一番奥、キングがいると思われる建物の前にやって来た。


「グワァァ」


 キルスが、到着したまさにその時、建物の中から、数体の上位種が現れた。


「オークメイジか」


 キルスはそういうと腰からエスプリートを抜き放ち、素早く接近。


「グギャァァ」

「もういっちょ!」


 キルスは立て続けに2匹3匹と、オークメイジを倒し、続いて出てきた、オークファイターをも瞬殺していく。


「グガ?」


 一方で、突然仲間が倒されていく様子を見ていたオークアーチャーは、背後からやってきていたシルヴァ―が、まさに魔狼の如く文字通り喰いつかれていた。


 こうして、あっという間に上位種を数体討伐したキルス達であったが、その間にオークジェネラルとオークキングが出てきた。


「グギャ、グギャ」


 オークジェネラル達は、キルスを見て警戒を強め、自分たちの王であるオークキングを守ろうと前に出る。


「オークジェネラルか、シルヴァ―、もう一体を頼む」

「バウ!、グルルゥ」


 シルヴァ―は機嫌よくキルスに返事をすると、自分の目の前にいるオークジェネラルに向かい威嚇のために喉を鳴らす。

 その声に一瞬ひるむも、果敢にも2匹のオークジェネラルは、それぞれ目の前のキルスとシルヴァ―に向かって行く。

 オークジェネラルが持つのは剣、それを構えてキルス達に斬りかかる。


(そういえば、いつも思うけど、こいつらの武器って何処から出てくるんだろうな)


 オークをはじめ、人型の魔物はなぜか武器を持っているものが多い、ゴブリンのように、木の棒であったり、人間の物を拾った場合もあるが、それ以外の魔物は大抵自前の武器を持つ。

 それが一体、何処から出てくるものなのか、そんなたわいもないことを考える余裕がキルスにはあった。

 その証拠に、キルスは特に何をするわけでもなく、あっさりとオークジェネラルの剣を余裕を持ってよけ一閃。


「グギャァァァァ」


 悲鳴をあげてオークジェネラルは両断された。

 いっぽうで、シルヴァ―もキルスとほぼ同じ頃にオークジェネラルを食いちぎっていた。


「さて、あとは、オークキングだが、あれ?」


 キルスがオークジェネラルに気を取られている一瞬のことであった、オークジェネラルの背後にいたはずのオークキングの姿が、見当たらなくなった。


「バウン、バ、バウ」


 とはいえ、見失ったのは一瞬で、すぐにシルヴァ―が匂いを見つけ顔を向ける。

 その方を見てみると、慌てて逃げるオークキングの姿であった。


「逃がすかよ」


『風よ。汝は鋭い、鋭き刃、その刃にて我の敵を斬れ 風刃』


「グギャァ!」


 キルスが放った風刃は、まっすぐにオークキングの背中に当たった。

 しかし、さすがはオークキング、それだけで身体が切断されることはなく、痛みに止まるだけであった。

 だが、それでも、キルスには大きな隙となり、すぐさま追いかける。


『風よ。我が剣に纏え』


 キルスはエスプリートに風を纏わせる。

 そして、横に一閃。


 こうして、オークキングはキルスと闘うこともなく、あっという間に倒された。


「ウォォォォォゥ」


 まさに、その時集落の方からもそんな少々甲高い歓喜の声が響いた。


「どうやら、向こうも終わったみたいだな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ