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第120話 久々訪問

「身分証を……あれ、確かお前はキルスだったか?」


 キルス達がバイエルンに到着するとその門を守る兵士がそういって声をかけてきた。


「ああ、久しぶりだな」


 その兵士はキルスがバイエルンにいたころに知り合い、顔なじみとなった男であった。

 キルスも覚えており、挨拶をかわしながら自身のギルドカードを提示した。


「おう、って、お前、もうCランクかよ。ていうか、聞きたいんだが」

「なんだ」

「その後ろの魔狼は何だよ。いや、従魔ってことはわかるんだが、あの時は居なかったよな」


 兵士はシルヴァ―の姿に若干引きながらそういった。

 いきなり攻撃をしてこず、ちゃんと従魔であることは理解しているからトーライドの兵士よりも優秀だろう。


「まぁ、確かにあの時は従魔にしたばかりだったからな、まだ、登録もしていなかったし」

「ちょ、ちょっと待て、いつだ」


 今のキルスの発言は兵士にとっては聞き捨てならないことであった。

 ということで、キルスは少し簡潔ではあるが、兵士にシルヴァ―の従魔にした経緯を話した。


「まじか、言えよ!」


 さすがの兵士もそう怒鳴らずにはいられなかったのだ。


 という若干のトラブルはあったが、それ以外は特になくバイエルンの街へと入ることができた。



「さっそく、領主様に会いに行きたいんだけど」


 ターナーはすぐにでも納品したかった。

 それはキルス達も同じ気持ちで、まずは領主の住む貴族街に向かうこととなった。


「それじゃ、こっちだ」


 その後、キルス案内の元、街の中心領主の屋敷に向かい歩き出した。


「待て、ここからは貴族街だ。用のないものは離れろ」


 貴族街へと続く道は当然封鎖されており、怪しいものをこうして番兵が防いでいた。


「俺はCランク冒険者のキルスだ。今日は領主様に用があって来た」


 キルスはそういいつつギルドカードを提示した。


「お前が? ……ふむ、確かにCランクだな。しかし、領主様にどのような用件だ」


 最初キルスがCランクであることを疑った兵士であったが、ギルドカードを見てすぐに晴れたようだった。


「まぁ、用といっても、俺じゃなくて、こっちだけどな」


 キルスはそういうと後ろにいたターナーを見た。


「私はバイドルで服飾店を経営しているターナーと申します。先日領主様よりご注文を受けましたのその納品です」


 ターナーは若干緊張しながらもよどみなくそう答えた。


「バイドル、注文、それは本当か?」

「はい、こちら依頼書です」

「拝見します」


 さすがに領主からの依頼書を出されては見ないわけにはいかなかった。


「失礼しました。どうぞ、お通り下さい」


 依頼書に書かれたサインが本物であると判断した番兵は態度を変えすぐにキルス達を通したのであった。



 そうして、貴族街を歩くことしばし、ようやくバラエルオン伯爵の屋敷の前にやって来た。


「ここが、領主様の屋敷? ていうか、でかくない」


 玲奈が屋敷の大きさに驚愕していた。

 その気持ちはキルスにもわかったので同意した。


「だよな。俺の前世の実家なんて屋敷までの間に収まるぞ」

「それを言うなら、家だってそうだよ」


 キルスと玲奈がそんな会話をターナーに聞こえないように小声でしていると、門のところに立っていた衛兵がキルス達に声をかけてきた。


「ここは、バラエルオン伯爵様の屋敷だ。どのような用だ。用がないのなら立ち去れ!」

「伯爵様からの依頼のあった品物を持ってきた。執事長のセライスに確認してみてくれ」


 そういって、キルスは自身のギルドカードとターナーから依頼書を受け取り衛兵に渡した。


「!? 少し待て」


 セライスの名を出したことで、さらに訝しんだ衛兵であったが、一応セライスに確認するために屋敷の中に入っていった。


 そうして、少しの時間が経ったころ屋敷から先ほどの衛兵と見覚えのある男がやって来た。


「これはこれは、キルス様ご無沙汰いたしております」


 セライスがそういったことで衛兵たちもキルス達への不信感を失った。


「ああ、久しぶり、今日は伯爵様からの依頼の品を持ってきたんだが、いいか」

「かしこまりました。どうぞ中へ」


 そういうセライスに続きキルス達も屋敷の中に入っていった。

 その際、シルヴァ―は厩舎にと思ったが、セライスの意向により庭に行くこととなった。


 そうして、屋敷に入ったキルス達は応接間に案内された。


「ただいま主を呼んでまいります。お待ちください」


 そういって、セライスは応接間を後にしてバラエルオン伯爵を呼びに向かったのであった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「セライスがそういったことで衛兵たちもキルス達への不信感を失った」 「不信感を失う」→「不信感を払拭する」では?
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