00:スタート地点
この物語はいかなる既存作品を貶めるためではなく、ただの娯楽として書いた物語となります。
後に出てくる「異世界」は、世間で語られているテンプレートなものを集めたに過ぎません。
そういった事を了承いただける方のみ閲覧下さい。
願わくば、お読みになられる方の僅かながらの暇つぶしにでもなれば幸いです。
彼の体は、少しずつ光る粒子の様なモノに変わっていき、それらが天に昇り一本の巨大な光の柱となる。
光の柱から、まるで木の枝のように細い光が無数に伸びていき、遂には視界いっぱいに広がる巨大な光の樹となった。
光の樹は輝く葉を次々に広げて生い茂り、そしてそれらの葉は次々に散っていき、何もない真っ暗な空間をヒラヒラと飛んでいく。
飛んでいた葉のいくつかは虚空ではじけ飛び、徐々に青空を創っていた。
飛んでいた葉のいくつかは真っ黒な地面ではじけ飛び、青々とした葉の茂る大地を創っていた。
暗闇が次々に掻き消え、青空と緑の大地を創っていくその光景は、感情が動かなくなっていた俺の目にも、幻想的に映っていた。
(これが、神話とかで言われる世界樹って奴なんだろうか。)
そんなことを考えながらその幻想的な風景を見ていた自分も、気付けば光に包まれている。
この世界での役目は終わったから、次の世界に行くのかもしれない。
光の大樹の根元、殺してしまった彼の体があった辺りを見ながらため息をつく。
「……後何回これを繰り返したら、終われるんだろうか。」
そして俺は、光に包まれた。