第48話 マスコミです。
マスコミとはどこの世界でもスクープを物にしたい物。
それはこの世界でも例外ではなかった。
俺の外出を今か今かと外で待っている。
「御主人様、どうします?門の外は凄いですよ」
とアリエッタが言ってくる。
「ん~今って実害は?」
「害と言うほどではないですが、私が買い物に行くと今日の晩ご飯は何かって取材が・・・・・・」
「俺の夕飯なんてニュースのネタになるのか?」
「師匠の事ならすべてを記事にしたいみたいですから」
と、ハイトンが見せてきた新聞には、昨日アリエッタが買った食材が勇者様の一日と言う記事に書いてあった。
他のニュースをもっと書けよな。
「生きづらいな。外にもろくに出られないし・・・・・いっそのこと旅に出てしまうか?」
「御主人様と一緒なら私はどこへなりとも付いて行きます」
と、アリエッタ。
「師匠と一緒なら僕だって」
とハイトンも言う。
「よし、なら旅仕度を。次の新月の暗闇に乗じて屋敷を出る」
「はい、ケロロンなら夜目が利くので大丈夫だと思います」
地獄の番犬ケロベロスなだけあるのか?
「でも、行先を決めねば」
と、ハイトンが言う。
「その冒険していた頃にどこか温泉とかなかった?出来れば景勝地で人里離れているところが良いな」
「あ~それなら心当たりがあります」
「なら、そこに行ってみよう。良い場所だった俺の能力で住居を作れば良いからな」
「あ~そうですよね。御主人様の能力ならどこにだって住めますもんね」
と、二人は納得してくれた。
五日後の新月の夜まで旅したくをひっそりと始めた。




