第46話 クシのプレゼントは問題です。
屋敷に帰るとアリエッタ、プルート先生、シェルリー王女がお茶をしていた。
「御主人様、お帰りなさい」
「あなたの様子を見に来てあげたのだから感謝しなさいよね」
と、シェルリー王女は何てもテンプレ的ツンデレの挨拶。
プルート先生はと言うと、
「往診です。どれ様子を見せて下さい」
と、言ってズボンのベルトに手をかけズボンを下ろそうとしてくる。
それに必死に抵抗して、
「ズボンは関係ないでしょうが」
「ほら、下が元気か確かめないと、良いから手をどかしなさい」
シェルリー王女は顔面を両出で押さえ指の間からチラチラ見ているのが見えていた。
「あ~んもう、そんなんだったらせっかく買ってきたプレゼントなしです。プルート先生」
「え?プレゼント?」
と、ベルトから手が離れた隙に一歩下がってズボンを直す。
「ハイトン、例のあれをここに」
「はい、師匠」
と、ハイトンが三つの箱をテーブルに並べた。
「三つともデザインが違いますから箱の蓋は開けずに選んで下さい。それがプレゼントです。アリエッタはいつもお世話してくれているし、プルート先生は治療でお世話になりましたから、それとシェルリー王女はいろいろ俺の記憶のせいで面倒をかけてしまったので」
と、言うと、
「御主人様・・・・・・」
「勇者様・・・・・・」
「リューヤちゃん・・・・・・」
と言いながら三人は視線で合図し合い、
シェルリー王女、プルート先生、アリエッタの順番で箱を選んだ。
箱の蓋を一斉に開けると、桜の装飾のあるクシをシェルリー王女が、梅の装飾のあるクシをプルート先生が、桃の装飾のあるクシをアリエッタとなった。
クシを三人は静かに手に取り、よく見ていた。
「これってプロポーズ?」
「はい?」
と、シェルリー王女の一言に超優秀な刑事さんみたいに間抜けな「はい?」が出てしまう。
「リューヤちゃん、知らないでこれ買ったの?」
「御主人様、クシは男性が女性に送るときには『苦楽を死ぬまで分かち合う』と言う意味がありまして」
と、アリエッタが言うので一緒に買い物したハイトンを見ると顔の前で手を横に振りながら、
「知りませんでした」
と、焦っていた。
「えぇぇぇぇぇぇぇ、そんな意味知らなかったから、ただ綺麗な装飾のあるクシだな、三人に良いなって思って買っただけだから」
と、俺は頭から汗が噴き出た。
「まぁ良いでしょう。今日はそういうことにしといてあげます」
と、シェルリー王女は言葉とは裏腹に大切そうにクシを両手で持ち胸に抱いていた。
プルート先生は、早速髪を解かしながら、
「このクシで磨きををかけて夜這いの準備をしておきます」
と、言う。
「いや、いかないから」
アリエッタはと言うと、箱にしまい、
「大切にしまっておきます」
「いや、遠慮なく使ってよ」
と、言うとハイトンが羨ましそうに、
「良いなぁ~僕も買って貰えば良かった」
と言った。
いや、お前男だろ。と、言いそうになってしまったが、それはセクハラになりそうなので控えた。って、こり世界にはセクハラと言う言葉があるのだろうか?と、気にはなった。
プレゼントする物も気を付けないとな。




