第43話 紋章は家紋にします。
セバスチャンが、屋敷を訪ねてきた。
「勇者様、公爵に列せられるため紋章をお決めいただきたいのですが?」
と、言う連絡ごとだった。
「紋章か~紋章ね~」
と、部屋で考えている。
「あれ?王家とかの紋章ってどんなんだろう?ハイトン」
と、聞くと、ハイトンが盾を持ってきて、
「これ、僕が冒険中にシェルリー王女からいただいた装備品ですが、これが王家の紋章です」
と、見せてきたのは、薔薇を家紋化したものだった。
「植物が多いの?」
「えぇ、基本は植物ですね。軍人家系だと猛獣をモチーフにしている家もありますが。師匠なら猛獣でも良いのではないでしょうか?」
「猛獣ね~、うん、有り難う」
試しにライオンを書いてみた・・・・・・猫に襟巻き付けただけだな。
虎を書いてみると、うん、シンプルに猫だな・・・・・・。
俺には絵心があまりない。
えぇい、こうなったら前世の家紋だ。
茨城県憧れの三葉葵にするか・・・・・・と、迷ったが、うちに代々伝わる家紋にした。
『丸に荒枝付き右三階松』
「アリエッタ、ハイトン、これはどうだ?」
と、見せると
「なんの木がモチーフなんですか?」
「アリエッタ、これは松だ」
松が通じるのか?と思うと意外にも通じたようで、
「松は四季を通して青々としている木、よろしいのではないでしょうか」
「それに、マツボックリは焼けても芽が出て森を再生する木なので、良い木だと思います」
と、アリエッタとハイトンの印象が良かったので、ハイトンに『これを紋章とする』と、セバスチャンに届けさせた。
ふぅ~絵心が欲しいな。




