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第32話 『妄想の具現化』は、出来ました。

 次の日、朝食を食べケロロンのブラッシングをしていると、とある事に気がつく。


「あれ?犬小屋はないのか?」


と、言うと洗濯物を干していたアリエッタが、


「ケロロンは元は野山にいる獣ですから、小屋はないんですよ」


「え?でも、ケロロンはうちのペットなんでしょ?もう獣とは違うし」


「でしたら、『妄想の具現化』でお作りになられたらいかがでしょうか?」


『妄想の具現化』何度か出てきたワード。


俺にそんな力があるのか?


やりかたすらわからない。


「どうやって俺は作っていたの?」


「御主人様は、刀を地面に刺し、妄想しながら魔力を地面に流していました。すると、あっという間に建物が出来るんです。大きさによって消費魔力が違うようで、この家を建てた時には魔力が空になっていましたよ」


超忍者漫画に出てくるような、土遁の術のような物か?


魔力を流す?


前の俺はそれをやっていた。


今の俺は?


どこかで確認しなくてはならない俺の能力値。


その『妄想の具現化』が出来れば、記憶をなくす前の俺とは力は変わらないはず。


試すか。リハビリだ。


床の間に置いてある、オリハルコン製の刀『聖剣シシオウマル』を取り出す。


広い庭の一角で抜く。


淡く青色に輝く刀、それにまず集中して力を流すイメージする。


すると、それに反応したかのように光は強くなり、まるでライトセーバーのように青色に輝く。


刀身が見えないくらいに。


って、ライトセーバーなら俺は赤色が好きなのに。


シスのライトセーバーのが俺は好き。


特に鍔の部分まで赤く光るライトセーバーはかっこいい。


って、そんなのは今はどうでも良いか。


これを地面に突き刺せば良いのか。


・・・・・・って待てよ。


その前になにを、どんなものを作るか想像してからでないとな。


この日本庭園に合う犬小屋・・・・・・。


日本庭園・・・・・・京都・・・・・・京都と言えば金閣寺・・・・・・って、それを犬小屋ってどうなんだ?


ならば、銀閣寺風犬小屋はどうだ?


外見だけ銀閣寺、中は普通に板の間一室。


考えるんだ俺、妄想するんだ俺。大好きな妄想だろう。そうだ、そうだ、そう言う形だ。


集中して、力を流すイメージをして『聖剣シシオウマル』を突き刺す。


ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、


と、土が動く音と共にモコモコと地面が動き出す。


「なっ、まさに土遁の術!」


5分もしないうちに、銀閣寺が庭に建てられた。


ケロロンが入りやすいように多少の犬小屋アレンジをして。


「まあ、やっぱり記憶は失っても力は失っていなかったのですね」


と、アリエッタは手に持っていた洗濯物を地面に落とし、


ハイトンは、


「やっぱり、人格がちがくても師匠は師匠だ」


と、喜んでいた。


「ケロロン、ハウス」


と、指示してみると銀閣寺の外回りを匂いを嗅ぎながらクルクルと回って中に顔を入れてさらに匂いを嗅いで、中に入った。


「ケロロンにピッタリ。良かったですねケロロン」


と、アリエッタが言うと、三つの頭が一斉に『ワン』と、吠えた。


気に入って貰えたようで何より・・・・・・。


目の前が星が飛ぶ、あっ、・・・・・・これ駄目な、、、、や・・・・・・つ。

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