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第27話 弟子がいました。

 群集の目から逃げるには、この馬車に乗り込むのが一番。


御者が手綱でケロベロスのケロロンに合図をすると、ケロロンは大人しく伏せをした。


顔は交替交替で俺を見たり、周囲を警戒したりしている。


頭は三つでも脳は一つ?


脳と脳が伝達し合って、役割を決めているのかな?


と、横目に馬車に進むと、降りてきた御者が、馬車のドアを開け右手を胸に当て、90度の深いお辞儀をし、


「御師匠様、やっと、お迎え出来る日が来たことを嬉しく思います」


と、言った。


その子は、なんとも中性的な顔立ちで、青みがかった黒髪のツーブロックポニーテールが中性さを増させている。

燕尾服で、腰には細身の西洋剣『サーベル』を携えていた。

さらに、腰には日本刀の拵えにそっくりな短刀もチラリと見えた。

この子は剣士か?


「ごめん、君が誰だかが、わからないんだよ」


と、言うしかなく言葉を口にすると、


「僕、アリエッタの姉弟子からは事情は聞いております。今は先ずは、馬車へお乗り下さい」


と、言う。


事情を理解してくれているのは助かる。


師匠?御師匠はん?


冒険をしている中で、仲間を集いパーティーを組んで戦いに挑む。


それは冒険者では、テンプレの御約束。


俺の場合、この中性的な子?娘?


もっと、屈強な男を仲間にしようよ過去の俺。


それより今は、群集が少しずつ少しずつ後ろから押され、前の人たちが窮屈そうになっている。


このままでは、この群集が押しかけてきそうだ。


早く馬車に乗り込んでこの場を立ち去ろう。


馬車の中は対面で四人乗れる広さで、赤い革張り。


座るとふかふかしている。


その椅子に座ると対面にアリエッタが乗った。


「ハイトン、出発です」


と、アリエッタが御者に繋がる小窓を開け言うと、ケロベロスが引く馬車は動き出した。


「御主人様、彼は、ハイトンは御主人様の弟子です。冒険途中、モンスターに襲われている村を助けたときに、御主人様に憧れた少年だったのです。御主人様は剣術を教え、サーベルとニホントウの二刀流の使い手になったのです。最後の魔王との戦いでは御主人様と魔王の一騎打ちの邪魔をさせまいと必死に活躍してくれました。今では、屋敷の管理をしている執事となっています」


と、説明をしてくれた。


弟子と言う事より、美少女に見えてしまうハイトンが男性だった事の方に俺は驚いた。

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