第22話 テレビはありました。
次の日もまた、ウンチを観察される羞恥プレーをした後、部屋にはシャワールームも完備していたので、シャワーを浴びた。
まだ、外の世界に触れては居ないが、トイレも洋式便座、シャワーもあり、お湯も出る。
この文化水準の異世界、有り難うと感謝をした。
中世ヨーロッパの汚いような所・・・・・・ボットン便所でおつりが跳ね上がってくるような世界でないと言う点において文句の付けようがない。
強いて言えば娯楽が欲しい。
俺は全快していようと入院患者。
医者の言うことを聞いて、部屋で大人しくしている。
監視は24時間美少女アリエッタがいる。
わがままを言うのは申し訳ない気がする。
オクラの一件もあるので、わがままを言えばどのような結果を迎えるかが想像できる。
だが、暇だ。
ベッドに横になって緑の山を窓越しに見ているのも飽きた。
本かテレビか、ラジオが欲しい。
部屋は電気が使われている。あれ?大腸をカメラで診るって言っていたような?
だったら、存在する可能性だってある。
「アリエッタ、テレビやラジオ、本とかってないかな?」
「えっ、テレビですか?ありますよ。滅茶苦茶高いので病院の病室などにはありませんけど、貴族のお屋敷とかなら。あっ、報奨金出ていますから買えなくはないですけど、買いますか?」
と、聞いてきた。
「あ~、うん、買えるなら欲しいけど」
「わかりました。すぐ発注しますね」
と、三日後届けられた。
それは昭和で見るようなブラウン管型のテレビで、文字通り「チャンネルを回す」の言葉に合う物。
チャンネルや音量がダイヤル式だ。
そして、アンテナがテレビの上に付いている。
業者の人が設置していくと、俺はテレビを見た。
・・・・・・つまらない・・・・・・なにが面白いのかわからない・・・・・・。
笑いのセンスを疑うような芸人が、ただ話している番組・・・・・・、生きたアルマジロを転がすスポーツ・・・・・・ゲテモノ料理お料理万歳・・・・・・突撃となりのおトイレ・・・・・・
「御主人様、テレビあこがれでした。こんな面白い物を放送しているのですね」
と、アリエッタが喜んでいるので、わざわざ水を指すこともないだろうと黙ってテレビを見ていた。
すると、夕方頃になると一日のニュースが放送された。
「グンマー王国から来たと思われるベアードラゴンにより、本日一名の方がお亡くなりになりました。イバラッキー王国の西部にお住まいの方はご注意下さい。続いてのニュースはトチギー帝国との国堺でゴブリンの山賊に襲われ、身ぐるみを剥がされた者が五組おりました。トチギー帝国に行く峠道は危険なので冒険者を雇うことをおすすめします。続いてのニュースです。マイハマランドでユメ食いネズミが大量発生している様子です。ユメ食いネズミはなぜか、お金を食べてしまうため、お金の保存には十二分に御注意下さい。サッイタマタマ共和国ではチチッブーではドラゴン族との間で小さな小競り合いが発生していると言うことです」
などと、ポマードだかで髪をびっしりとオールバックに固めたアナウンサーが、くそ真面目にニュースを読み上げていた。
「イバラッキー王国は御主人様が魔王を倒してくれたおかげで今日も平和だったようですね」
と、アリエッタは喜んでいた。
この異世界の国の名前、なんか、悪意を感じるのは気のせいだろうか?
夕飯を食べ眠くなるまでテレビをつけていようといたら、19時になると、すべてのチャンネルが砂嵐となっていた。
「御主人様、テレビは19時までの放送なんですよ」
と、アリエッタが教えてくれた。
「いや、むしろこれからがゴールデンタイムでしょ。普通、働いてきた者が食事を取って眠るまで見るってんじゃないの?」
「御主人様、夜は寝るものですよ」
と、悲しい目をされたのでそれ以上聞くのは止めた。
うん、この世界の隣国はマイハマランドにトチギー帝国、そしてグンマー王国に、サッイタマタマ共和国か・・・・・・。
なんちゅうネーミングの国なのだろう・・・・・・。
と言う点は置いといて、この異世界は四つの大国だけで形成されていた。
流石異世界。




