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7 暇をもてあました冒険者達

なんとか今日中に帰ってこれました。

サブタイトルをつけたいのですが、なかなかこれだ!ってのが思いつきませんねえ。

 あれから二日。魔物の襲来もあれ以降無い様で、俺たちは暇な日々を送っていた。


「それにしても暇だなおい。なあカブ子、なんか面白い話無いのか?」


「おもしろい話しろって振りをする人間ってたいていつまらない人間ですよね。」


 カブ子から帰ってきた辛辣過ぎる返答。言い返そうとするがいい返しが思いつかない。もしかして俺ってつまらない人間なのかも知れない。


「アサギさんは存在自体が面白いから大丈夫ですよ。」


 ソファーで菓子をつまみながらごろごろしているミアからフォローが入るが、微妙に煽ってないかそれ。


「うるせえ。つうかパンツ見えてるぞ。」


 ワンピースでごろごろするなよな。さっきからいろいろと丸見えだぞ。

 そう声をかけると、ニタっとたちの悪い笑みを浮かべてみせるミア。


「あら?アサギさんは私の様な幼い少女の下着に興味がおありでしたか?幼女趣味は無いといっていましたが案外私にも興味を持っていただけてるようですねー。」


 ったく。幼女扱いしたことを未だに根に持ってやがるな。もっと慎みを持てよ。


 そんな感じであーだこーだギルドでごろごろと過ごしていた今日この頃。ちなみに十兵衛は少しでも金を稼ぐために薬草集めやら討伐以外の仕事に精を出している。


 そういや、十兵衛もギルドに登録して、無事冒険者になることが出来た。Eランクからのスタートだが、幸いこの街では魔物の討伐にランク制限は無い。このまま防衛で一旗あげてほしい物だ。


「すいません。アサギさんいらっしゃいますか?」


 二階からクラリスが降りてきた。つうかこいつもやたら薄着だな。短パンとタンクトップだけで降りてくるんじゃ無いよ。確かに暑いとはいえ一応ここに男が居るんだぞ。


 ちらりとミアを見てみれば、そんな俺の思いを呼んだのか、ワンピースの裾を持ち上げてひらひらさせている。マジで慎みを持てよ。あと後でシバく。


「どうした?」


「あのですね。暇なのでアサギさん達のギルド証の更新でもしようと思いまして。」


 重そうに抱えているのは例のステータスを計る魔道具か。重そうなのでクラリスの持っているそれを受け取り、ギルドのカウンターに置く。


「あ、ありがとうございます。皆さんの今のステータスを把握しておきたいので。アサギさんからよろしいですか?」


 確かに、俺もあれからどのくらい変わっているのか気になっていたところだ。


 魔道具に手をかざす。最初に使ったときは気がつかなかったが、少しだが魔力を吸われている感覚があるな。おっと、出たな。



名前:アサギ=ミシマ

年齢:21

職業:風来人

階位:44


魔力:5211


戦闘技能


弓術lv6  回避lv5

棒術lv8  投擲lv2

体術lv7 武器防御lv3


魔法技能


風魔法lv4


生活技能


料理lv8

操縦lv5


特殊技能


精霊視


固有技能


風読(カゼヨミ)

天賦の才


契約


トゥール(妖精種:精霊 属性:風)





 おーでたでた。ん?ベルケーアのギルドでは出てなかった魔力っていう項目があるな。


「魔力ってのはベルケーアでは出なかったけど?」


「ああ、父のギルドにあるのは古い型のものだったのですね。まあベルケーアではそこまで戦闘力を詳しく計る必要が無いですから、予算をケチって新しい物を導入していなかったのでしょう。」


 確かにあそこは討伐依頼よりも護衛依頼が多かったからな。それにしても戦闘力は必要だと思うが...まああのおっさんがケチだということで納得しておこう。


「んで?この5211ってのはどんなものなんだ?」


「アサギさん、そんなに魔力量があるんですか!?」


 驚きを顔に浮かべるクラリスだが、ぶっちゃけ俺にはどれくらいのモンなのか分からん。基準が分からんからな。


「そこらの一般人で100から200。一流の魔道士で1000から3000くらいじゃないですかねー。まあありていに言って化けモンですよ。」


 ミアから補足が入った。それにしても魔力なんて鍛えた記憶も無いが、何でこんなとんでもない数値になっているんだか。


「魔力の量は才能による部分が多いですから。あとはトゥールちゃんと契約したことで増えたこともあると思いますよ。」


 精霊と契約すると魔力の量が増えることがあるそうだ。


「なるほどねー。あとは棒術、体術、回避が伸びて...武器防御なんて技能もあんのか。お、料理も一つだがあがってるな。そういや、この技能のレベルってのはどこまで上がるんだ?」


 この分だと10が最大って事でもないだろう。


「一般的には10が最大ですよ。」


 あるのかよ。


「とはいえごく一部ですがレベル10を突破する場合もあるらしいですね。ウチのばあ様の精霊魔法は13でしたし。」


 ないじゃねえか。とはいえレベル10になれば世界最高峰の技術ってことなんだろうな。つーことは俺の料理はもはや最高峰手前って事か。レベル9だもんな。


「レベルは上がればあがるほど、上げるのが大変なんですよ。」


 百里を行く者は九十里を半ばとす、っていう言葉もあるくらいだしな。とあるRPGだとレベル95から100にあげるのにそれまでの10倍経験値が必要なんてのもあったしな。


 それにしても、階位が44ってのは不吉なところで揃っちまったな。


「それでは次、カブ子さんお願いします。」


 いつまでも俺のステータスばかり見ている訳にもいかねえからな。カブ子のも見てみるか。


 カブ子が魔道具に手をかざす。あの魔道具の光は綺麗なもんだ。





名前:カブ子

職業:旅人(隠蔽=付喪神)(もうちょっとおもしろい職業にしておけば良かったと後悔しています。)

年齢:20

階位:32


魔力:1721


戦闘技能


剣術lv7 (早く刀が欲しいです。)

高速機動lv3


魔法技能


地魔法lv2

光魔法lv2


生活技能


料理lv6(今日の夜ご飯は揚げ物がいいですねえ)


特殊技能


継続戦闘lv4

自動修復lv4


固有技能


機械ニ宿ル神スピリットオブアーティファクト(隠蔽)



 



 ステータスがうるさい。こいつ固有技能でステータスの改ざんが出来るからって遊び放題だな。つっこんで欲しそうな顔でこっちを見ているが、面倒なので無視しておこう。


 全体に少しづつだが技能のレベルが上がってるな。特に注目すべきポイントは無いか。刀のことは考えておこう。





名前:ミア=フォーレンハイト

年齢:17

職業:世界樹の守り人

階位:47


魔力 7880 


戦闘技能


無し



魔法技能


風魔法lv4 水魔法lv6

土魔法lv7 精霊魔法lv3


生活技能


設営lv2

健啖lv9


特殊技能


魔力自動回復

魔力視

精霊視


固有技能


精霊の愛し子

世界樹の叡智




 ミアのほうはあんまり変わりは無いみたいだな。まあもともと全体的に高レベルだからってのもあるだろうが。それにしても健啖が8から9になってやがる。こいつ、世界最高峰の食いしん坊に近づいてやがる。


 というか魔力高っか!どうりで余裕の表情な訳だ。


 こいつ...ニヤニヤしながらこっちを見て反応をうかがってやがる。なんでこいつら俺の反応を見たがるんだ。


「健啖lv9ねえ...」


「どうりで最近食べれる量が増えたわけですねー。」


 それは果たして良いことなのだろうか。俺にとっては悪いことなんだよなー。作る量が無駄に増える。ただでさえこいつ一人で常人の5倍は食べるってーのに。


「それにしても、皆さん本当にお強いんですね。」


 俺とミアは階位40台、カブ子も30台だからな。であったときの勇者パーティーくらいのステータスがある訳だ。





 そんなこんなでステータスの更新も終わった。終わったら終わったでまたやることが無くなったので、俺たちはごろごろする事に戻った。


 カブ子はテーブルで干物を肴にちびちびやっている。ミアもさっきと同じようにソファーでお菓子タイムだ。


 で、俺はと言うと、手慰みに木工細工に取り掛かっている。今はトーテムポールを作っている最中だ。


「暇つぶしにトーテムポール造りって辺りがマスターの変人具合を物語っていますねえ。いえ別に馬鹿にしている訳じゃないんですよ。」


 いやバカにしてんだろ。トーテムポールはいいぞ。もともとトーテムポールはアメリカの先住民の部族が儀式で使ってた物だが、最近じゃ芸術品として作られたりしてるんだ。かくいう俺も日本に居た頃は家の庭に飾っていたからな。


「マスターの実家の庭はかなり混沌としていましたねえ。トーテムポールの他にもなにやらたくさん置いてあって、どこの国なのか全く分からない状況でしたね。」


 結構色々と手を広げていたからな。


 そんな会話をしながらカツンカツンとトンカチとノミを使って木を削っていく。時間を忘れて芸術に没頭するのも良いものだ。

そうしてゆるりとした時間を過ごしていたのだが、嵐ってのは唐突にやってくるもんだ。


 ガタンと音が鳴って、ギルドの両開きのドアが開き、招かれざる客がやってきたのだ。

アサギパーティーも打ち解けてきましたね。


ちなみにミアのパンツは縞パンだそうですよ、あざといですね。

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