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一億年後の世界に十五年目の産声と。  作者: ばくだんハラミ
始まり
1/20

プロローグ・神

小説初投稿です。

至らない点が多くあると思いますが、何卒宜しくお願い致します!

結構長い話になると思いますが、完結させて見せるのでどうかついてきてもらえたらな、と思います!!

コメントはなんでももらえると嬉しいです!


今回、小説テーマは『家族』と『復讐者』です!

 ――――語る前に、自己紹介をしておこう。

 我が名はサタン。魔の王であり――地球最後の語り手である。


 これは青年が産声をあげる15年前。

 ついに、地球は追い込まれてしまった。人類の考えとは面白いもので、21世紀頃には数十億年で地球は滅び人類はその前に滅亡していると予測されていた。だいたいその通りだと神も思ったかもしれない。

 しかし予想も予測も確信も、全て()()()()の愚行ともいえる『大偉業』で覆ってしまった。人類も予想できなかった、神も想定していなかった――いや、想像もしたくなかったのだろう。天界に危機が訪れ、自分のせいで愛したモノに憎まれる未来など。


「私は、この子とどうしたらいい……」


 楽園(エデン)。元々は地上にあったものだが時が進むにつれ地上には不要なものだと判断し、楽園と呼ばれたものは天界に異動したのだ。


 現在、そこには()()()に追われた神というモノが隠れ潜んでいる。しかし、神に実体はない。半ば概念のような存在で、何に触れることも何に触れられることもない、何に見られることもない。不思議なもので、それでも神というモノがそこにいるのだと認知できる。さらに不思議なことに、神の手中には人の姿をした赤子がいた。息はしている。


 だがそこに自我はない。ただ人の形をした赤子が生命活動のようなものを行って体を維持しているだけだ。簡潔にいえば、魂の入っていない生き物ということになる。神はそんな赤子を何よりも大事そうに抱きかかえた。とうぜん抱きかかえる腕などないので魔法を使って共にエデンまで逃げてきたのだ。


 しかし、逃げてきたはいいがこれ以上は進む道がない。いいや、ここに辿り着くまでにほとんどの道を歩んでしまった。ただヒトリから逃げるならともかく、()の仲間が数億もいるとなると地上を覆う広さの天界もいずれは逃げ場がなくなってしまう。神に味方するものがいないわけではないが、此度の敵は相手が悪すぎる。神も同様にそう思い至った途端、ひどく気弱になった。――逆らう力も、意思も衰弱していく。


 神は考えた。どうせなら残った力でエデンのみを封鎖し、引きこもろうと。ここは私だけの空間、私だけの楽園、私の微力でもここを守りきる程度の力はある――と。しかし実行するよりも先に、ヒトリの男のような姿をした少年が現れる。その男とは、我である。

 

 我は神に言う。

 

 ここに引きこもるのはおまえの勝手だ、奴も今はこれ以上おまえを追いかけまわすつもりはないだろう。しかしその赤子はどうする。せっかく作ったのに地上に堕ろしてはやらないのか? ああ、もっとも、堕ろしてやったとしておまえの望んだ魂がその器に入ることはないが――。


 と、少々意地の悪い笑みを浮かべてやった。

 神のことだ、話を聞く前に「なぜオマエがここにいるのか」と問いを投げるに違いない。そう、思っていた。


「――そう、やっぱり、そうなのですね」


 だが神は疑問よりも先に、我の言葉に衝撃を受けていた。なんてことだ――想定の範囲内ではあるがコイツは我を前にしておきながら、我よりも赤子を優先したのだ。そんなに愛しいというのか、あの男が。

 自分はわざと不機嫌そうな表情を浮かべたものの、神はそれを無視するように一呼吸おくと、我を睨みつけるように声色を変えた。


「では、この子の器に誰が入るというのです」


「そこで妥協してしまうのか」

 とは言わなかった。いや、言えなかったのかもしれない。神はきっと、人で言う、背に腹は代えられないといった覚悟を決めている。我はようやく現実を見つめた神のソレを壊したくはなかった。


 だから我は、


 それはわからない、そもそも入るかどうか……しかしおまえの作った子だ、おまえの加護がある。きっと幸運が訪れて別の誰かがそこに転生してくれるに違いない。


 と返答する。


 そうだ、我は確信している。これは想定でも予測でもない――信頼だ。

 我の言葉に神は「私はここまで追い込まれてしまったというのに、幸運など訪れるだろうか」と不安な声をもらした。コイツは我ほど己を信頼していない。それもそうだろう、近い未来に地球史上最大の不幸が訪れようとしているのだから。しかも、コイツが原因のひとつとして。

 しかし、それは我がコイツを信頼しない理由にはならない。

 なぜなら、コイツが今もなお赤子を抱いているからだ。


 ……大丈夫だ。今回の出来事だって、おまえが原因のひとつであるだけでおまえ自身に運がないわけじゃない。自分がそういうと、神は動揺したのか赤子を揺らした。我はその赤子を指差す。わからないか? その赤子だ。おまえは愛するモノを今もなお守り続けていることができる。これほど幸運な事はないだろう。

 

 そう促すと、神は「それも、そうだ」と我の言葉を受け止めては(恐らく)赤子を見つめた。


 神は願う。


(ああ、あの人のために用意した器とも、ここでお別れか……)

「どうか、どうか幸せに――そしていつか、私に会いに来てほしい」


 救いにきてほしい、とは言わない。神のこの謙虚で強欲な願いは、自身が助かる道などもはやないと断言されていた。さすがの魔王も傷つく。我というものがありながら己は誰にも助けてもらえぬと本気で思っているのだ、我というものがありながら。

 神は我の心境も見ず知らず、ただただ泣くような想いで赤子を地上に堕とした。

こういった形で一人称(魔王視点なのである意味では三人称)小説となります!!

うまく書けるかはわかりませんが、あとプロローグが二つあるので読むか読まないかそちらで判断していただけたらなと思います…

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