18Game 僕が君でお前が俺…
創汰は絵麗奈の手をぎゅっと握り黒い光の方へと歩いていた。
すると前から誰かが来るのに気づいた。
「…あいつはブラッドか?」
「違う…」
ブラッドの声とはまた違った。
「俺は…ハードプレイヤーだ。」
「ハードプレイヤー!?まだ生き残りがいたのか…」
「伊南川 造…それが俺の名前だ。」
造は名前を名乗った。
「ここから先は行かせない…」
「だったら力づくで!」
そう言って絵麗奈の手を離して造の方へ走り出した。
造は創汰の方へと歩き始めた。
武器を出して創汰は構えた。
「うあぁぁぁぁぁ!」
今だと思った造は高い壁を作り出し創汰たちがいる壁の向こうへと
ジェットウィングを自分で作り壁を乗り越えた。
「壁…」
「俺はなんでも作れる。もはやチート的な能力だ。」
「まさか…ムテキの力を…」
「いや…ムテキの力はもっとすごいさ。」
創汰は信じられなかった。
造はジェットミサイルを作り出し創汰をターゲットにして
ミサイルを発射した。
創汰がミサイルに集中していることを確認して武器を作り出して
隙をついて創汰に攻撃をしてダメージを与えた。
その武器はとても強くダメージがかなり強かった。
「なんだ…これほどの攻撃…受けたことがない。」
「スペックとか的に弱くした方なんだけどな…」
「通してよ…ねぇ!」
「無理だ…お前の力じゃ倒せない。」
創汰は造を倒せないのがとても悔しかった。
「創汰…お前はもっと強くなれ!」
造が創汰の名前を言うと創汰は何かを思い出した。
「まさか…」
「あぁ…創汰。俺だ…父さんだ。」
「なんで…こんなところに。」
「私なんだよ…このゲームを作ったのは。」
それを聞いた創汰は絶望した。
その顔を見た造は顔を下げた。
「すまん…お前に会いたかったんだ。」
創汰の顔からは涙がこぼれた。
「俺は…悪いことをした。だからお前にブラッドを倒してほしい。」
造がそう言うと創汰は涙を拭いて立ち上がった。
「もちろんさ…絶対に攻略してみせる。だからお父さんも…倒す!」
「それでいい…かかってこい!」
「やめてよ!2人とも!」
「ごめん…絵麗奈さん。僕は行かなきゃならない!」
そう言って創汰は落ちていた武器を拾って構えた。
強い風が吹くとともに2人は戦いを再開した。
創汰と造の戦いはとても激しくどちらとも勝ちを許さなかった。
だが造は色々なものを作りすぎてもう力があまり残っていなかった。
創汰はどんどん攻めてついに造を倒した。
「うはっ…うぅ。」
「お父さん…!」
「創汰…行け。それがお前の本当の人格…」
そう言ってゲームオーバーになって消えていった。
「人格…」
創汰は葉を噛み締めて立ち上がった。
「そうだ…思い出した。ゲームに気を取られて意識が…」
「確かに俺って…」
「ブラッドが…僕ってことか…」
そう創汰が物騒なことを言うと黒い光の方へと創汰1人で走っていった。
「創汰くん!」
そう呼ぶが創汰は無視して1人で向かった。
創汰は風になったように素早く走った。
黒い光は最初に集まったドームの方から出ていた。
「あそこか…」
創汰はもっと走るスピードを上げてもっと素早く走った。
しばらくして創汰は黒い光が出ているスタートしたドームに来た。
ドームの中に入るとそこには全部が黒づくめの男が立っていた。
「ブラッド…お前なんだろ僕の体に。」
「気づかれたか…俺がお前だってこと。」
そう言うと上に来ていたものを脱ぎ顔を見せた。
それはもう1人の自分だった。
「僕…」
そう驚いた顔をするとブラッドは笑った。
「はっはっはっはっはぁ!ずいぶん驚くなお前…」
「なんで…お前が僕なんだ!」
「俺たち2人は戦う定めだったんだよ…」
そうブラッドが言うと創汰は拳を強く握りしめて武器を出した。
武器を構えるとブラッドも戦う気になった。
「面白い…」
ブラッドも武器を出した。
創汰と同じ武器の色違いだった。
「うあぁぁぁぁぁ!」
創汰とブラッドはドームの中で最後の戦いを始めた。




