16Game 狂いのシナリオ
12時…1時…X時。
「うっ…」
創汰に何か異変が起き始めた。
「どうしたんだ?」
「創汰くん?」
「無敵…ムテキの力を手にするのは俺だぁ!」
急に創汰は武器を出して勇気たちに攻撃した。
創汰のレベルが98からXに変わった。
「レベルがXだと…」
「未知数だ…何がどうなって。」
雄李がそう言うと創汰は雄李に目をつけた。
「お前からだ!」
勇気たちは創汰を止めようとしたが強さが倍になっていて
止めることはできなかった。
雄李は生き残るためにも創汰を倒す覚悟を決めた。
容赦なく創汰を攻撃した。
「おい!雄李!何をしてる!」
「倒すんだよ!」
「ダメだ!」
「仕方がないだろ…こうしなきゃ!」
だが雄李の力を大いに上回り雄李は負けてしまった。
「はぁ…はぁ…死ねぇ!」
そうトドメをさそうとすると突然雄李がその場から消えた。
「どこだ…」
あたりには勇気たちもういなかった。
雄李たちは他のプレイヤーに助けられていた。
「いたのか…プレイヤーが。」
「俺は矢泉 忍。ハードプレイヤーさ。」
「そうなんだ…助けてくれてありがとね。」
「大丈夫だ…」
忍は雄李の怪我の治療を勇気と行った。
勇気の回復魔法のおかげで予定よりも早く怪我が治った。
「よかった…」
「暴走してたな…」
「えっ?創汰のことか。」
「あぁ…ブラッドのシナリオのせいだ。」
それを聞いた勇気たちは忍が言っていることの意味が分からなかった。
「シナリオってどう言うことだ?」
「ゲームには物語があるだろ…それだよ。」
「物語か…」
「創汰は主人公で…物語的には何もかもが分からなくなり狂ってしまう。」
それを聞いた絵麗奈は涙を流した。
「あぁ…君。死ぬわけじゃないから大丈夫。」
「それで…」
「ムテキの力を欲しがるようになる。」
「そうならないようにできないのか!」
勇気がそう叫ぶと皆んなは驚いた。
「すまん…」
「できるよ…プログラミングを変えれば。」
「どこで変えられる!」
「ゲームの外だ…」
「無理じゃないか…」
勇気は落ち込んだ。
足音が聞こえた。
それは聞いたことのない足音だった。
普通のプレイヤーの歩き方ではなかった。
少しふらついて歩いているような歩く音だった。
勇気が路地から出ると右には創汰がいた。
「ムテキ…力ぁ!」
創汰は勇気に襲いかかった。
「零斗…瑜芽頼む!」
「了解!」
零斗と瑜芽の2人はゾンビとゴーストを大量に出して創汰の動きを抑えた。
「話せ!話せぇぇぇ!」
「創汰くん!」
「ダメだ…ゲームオーバーになる。創汰の力はとても強い。」
零斗と瑜芽は動きを止めるのにもう限界がきていた。
「ダメだ…きつい。」
「俺もやる!」
勇気も魔法で創汰を抑えた。
「ありがとう…」
だがすぐに魔法は破られた。
だが創汰はもう暴走していなかった。
「創汰くん?」
「どけよ…」
そう言って絵麗奈の顔を殴った。
「何するんだ!お前の大切な人なんだろ!」
「知るかよ…ムテキの力手にするためだ。こんなやついなくなればいい。」
それを聞いた絵麗奈は泣いた。
「絵麗奈ちゃん…」
「お前…」
勇気は武器を出した。
「本当に倒すつもりか…」
「ムテキのプレイヤー。それが俺だからな。」
「あぁぁ!」
勇気は創汰の相手をした。
本気で創汰を倒そうと戦った。
創汰の力と勇気の力は同じレベルだった。
「なんで…レベルXと同じなんだ!」
「怒りが俺の中であるからだ!」
「お前はなぜ戦う…」
「俺は…」
勇気は迷いが生まれてしまった。
「うっ…頭が…うあぁぁ!」
勇気は急に頭痛がして戦える状況じゃなくなってしまった。
「そうやって…あがいてろ。」
そう言って創汰は去っていった。
その頃…雄李たちは勇気を探していた。
「どこに行ったんだよ…勇気!」
どこを探しても勇気の姿は見当たらなかった。
「いたか?」
「いなかったよ…」
「うっ…」
「どうしたんだ?」
家康はそう聞くが雄李は何も答えなかった。
「皆んなと合流するぞ…」
「あ…あぁ」
2人は皆んなのもとへと帰っていった。
忍も雄李たちと違う場所で勇気と創汰を探していた。
「いないな…」
いないことを確認した忍も皆んなの元へと帰ろうとした。
すると忍の仲間の伊南川 造が忍の元へとやってきた。
「どうだ…創汰の調子は…」
「物語通りに…なった。」
「そうか…」
「じゃぁまた後で会おう。」
「あぁ…」
そう言って忍は皆んなの元へと戻っていった。
「創汰…無事に戻ってきてくれ。」
そう目をつぶって言った。
夜になり…プレイヤーがいなくなったことで寝られるようになった。
「おやすみ…」
「おやすみなさーい!」
「おやすみ!」
皆んなはぐっすりと寝た。




