彼女はまた酔っ払いを拾う
つい先日のことだ。
私は家の前に倒れていた同僚を拾った。病人などではなく、ただの酔っ払いだ。
知り合いと言えるほど関わりもない相手だったが、迷惑にも家の前で倒れていたから仕方なく私のベッドに寝かせてやって、朝食まで振る舞ってやった。
その男、アストロは失礼な奴だった。
職場で私の噂でも聞いていたのか、私を見てあほ面で固まっていた。
それはもう騎士という職業だとは思えないほどに。
まあ私の料理の美味しさに感動していたようだし、がっつくように頬張っていたのにはなかなか気分はよかった。
迷惑な拾い物だったが水に流してやろうと思った。
どうせ今まで通り関わる機会もないのだろうから忘れてやろうと思っていた。
それなのに、だ。
「なぜ、君は私の家の前で行き倒れるんだ」
返答は期待せずにそんな疑問を投げかけてみる。
はあ、とため息がこぼれてしまうのも仕方ないだろう。
数日前と同じ場所で数日前と同じ人間が倒れている。しかもまた酒に潰れて、だ。
わざとなのか? これは嫌がらせなのか?
そう疑いたくもなったが、確認してみても完全に意識はない。
まさか誰かが運んできているんじゃなかろうな。そうだったのなら同情するが。
やれやれとまたため息をついて、私はまたアストロを持ち上げた。ため息が止まらない。幸せがどんどん逃げていくな。
前回と同様にアストロを私のベッドに転がして、枕元にレモン水を用意してやる。
私はまたリビングのソファで丸まった。騎士という職業柄、比較的どこでも寝られるというのはこういうときにありがたい。
私は任務では良いベッドに寝かせてもらえることが多いがな。
今日は事務仕事が多くて流石の私も疲れた。
書類整理は別に苦ではないが、特に上司の相手をするのが面倒だった。書類の傍ら上司の相手をしなければいけない心労は他人にはなかなか伝わらないだろうな。
何せあの上司は普通じゃなく頭がおかしいからな。
明日は休みだ。前回アストロを拾った日も休みの前日だったな。
全く、前回も今回もこの酔っ払いを拾わなければ最高だったんだがな。
明日の朝食は何を作ろうか。
そんなことを考えながら私は意識を落とした。
かなり短くなりましたが、なんとなくきりがいいのでここで。




