仰せのままに
何処からともなく声が聞こえる。その声は、人を惹き付ける不思議な魅力のある声だった。声の主は言う。
「幸せになりたければ、私の言う通りにする事だ」
姿形の見えない相手の言う事を聞くなど正気の沙汰ではないが、声には、相手に従いたいと思わせる、それ程の力があるのだ。
「貴方の言う通りにすれば、僕は幸せになれるのですか?」
「ああ、約束しよう。私の言う通りに行動すれば、お前には必ず幸せが訪れる。お前は選ばれし者なのだ」
「本当ですか!? 光栄です!! 期待は裏切りません!! 必ずや、貴方様の仰せのままに行動してみせます!!」
男は意気込む。
「それで、僕はどうすればいいのですか?」
尋ねる男に、声は答えた。
「コンビニエンスストアに出向き、おでんをつつきなさい…」
※おでんをつつく行為は犯罪です。絶対にやめましょう。