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87、目標と手段

 目標。まずは目標の再確認だ。


 転生した当初は前世基準で言えばエリートサラリーマンくらいの立ち位置を目指していた。

 有名人や芸能人の様なモノではなく、自分の仕事を全うし、自分の能力に見合った立ち位置になる事。

 あまり目立つ必要はなく、ただ自身の能力をもって人に認めてもらい、人との交流を深めることで未来での選択肢を増やし、行きたい場所に行けるようにする事。

 交流する幅が狭ければどんなに行きたいと思っても行けないことがある。


 時間を区切って人1人で出来る事なんて案外少ない。

 1つ1つは自分でできる事でも、全部を自分でやろうとすれば時間はいくらあっても足りない。

 だから作業を分ける。人手を増やす。

 同じ事を目標にするメンバーを集める事で人手を増やす。

 対価を出してメンバーを募る事で人手を増やす。


 やりたい事が思いつかないなら、対価を出して人手を求めている場所に行く。

 言ってしまえばサラリーマン。直訳すれば給料男。

 自身の経験と技能を引っ提げて売り込みをかけていく。

 自分の価値、自分の時間、それらを対価に給料を引っ掴んでいく。

 サラリーマンとはそういうモノだろう?


 俺は今後どうしたい?

 何かしたい事は思いついただろうか?

 思いつかないのであればサラリーマンのように、技能を磨き資産を蓄えていくべきか。


 やる事には価値をつける事が出来る。

 価値は金銭だけで表せるものじゃないが、金銭によってあらわすこともできる。

 仕事の場合は特に価値は金銭で表すことが多い。


 求められているのがただの人手であれば、この仕事はいくらであればやって欲しいになる。

 何ができるかが重要で、その仕事をこなせることだけを考えている。普遍的な技能重視だ。

 人を支える側に回るそういう手合いだ。

 特化型ではないが、万人に求められる汎用性のなんと素晴らしい事か。

 好き嫌いで判断されるわけではないから色んな所へと行きやすい。


 求められているのがその人であれば、人を見ていくらであればやって欲しいになる。

 またこのくらいお金を出しても惜しくないと思ってもらえる。

 この場合はその人の将来性を買っているようなものだ。クリエイターや研究者、一芸に特化した芸人や俳優などはそうだろう。

 その商品や研究成果、芸事がいくらであれば欲しいという奴だ。

 替えの利かない自分である事、確かにそれは出来るのであれば望ましい。

 だが替えの利かないというのは言い換えれば新しく欲するだけの理由がなければ受け入れられないともいえる。

 目を向ければごまんとある先人の屍を乗り越え、その先を目指す修羅の道。

 生半可な覚悟で目指すべきではない。

 本業で生活できるだけの能力、もしくは既に資金がある、はたまた養ってもらえるならいける道か。


 やっぱりまずはサラリーマンタイプで頑張るか。

 身についた技能から発展させてクリエイタータイプの副業が出来るように努力する。

 会社で貯めたノウハウと資金から自分で会社を作る社長さんのように。


 そうだ。社長のようになれば自分で作れなくても、資金があれば望んでいるモノを作れるクリエイターさんを雇うことができる。

 サラリーマン時代に顔つなぎをして親しくなった人であればプライベートで話を通すこともできるかもしれない。

 いきなり会社を作りました、こういうモノです、なんて言われても信頼はほとんどないが、元々知り合っていたならハードルは低くなる。

 何がしたいか、どういう事をするのかが予想できるならなおさら信頼しやすいだろう。


 マンガ家さんとアシスタントさんの関係みたいなモノになるか。

 アシスタントさんもマンガ家さんの卵なのだ。

 マンガ家さんのところでお仕事をし、先輩の技術を学びつつもお金を蓄える。

 蓄えたお金でアシスタントさんを雇い、自分もマンガ家さんとして動く。


 サラリーマンをしている時の業界で開業した方が先々で色々と楽になる。

 材料の調達や人材の集め方、販売先その他諸々。

 そう考えたらどの業界に行きたいのか、もっと深く考えないといけないな。


 今、興味あるものは? そう言われたら魔法関係だろう。

 魔法を使った技術は前世にはなかったのだ。

 深く踏み込めばもっと面白く感じていけると思う。

 将来はわからないけれど、魔力の量や使い方など俺の特性を生かしやすいだろう。


 魔法を使った戦闘にも興味がある。

 土属性で魔法を使った戦闘に長けた人……。ユエさんだな。

 日頃の鍛錬の仕方とかも教えてもらえるかもしれない。

 いや、教えてもらうのだ。何としても。

 何もできないのは嫌だ。


 それに魔力を蓄えた状態で死ねばきっとそれは爆弾と変わりはない。


 何かの際に爆弾として使われることになったら恐ろしい。

 自分の身は自分で守れるようにしないといけない。

 戦いの技術は覚えておいて損はない。

 むしろ覚えていかないと生きられるかわからない。


 まず優先的にやっていくのは戦闘を教えてもらう事。これはユエさんに聞いていくのがいい。


 次に魔法の技術を磨き、魔法の使い方を学ぶ事。これはニーナに聞いていくのがいいと思う。


 軍人さんが近くにいるだろうから、その人達にも声かけ出来たらいいな。

 ここはまだ確実に動けるかはわからない。


 1人で出来る事は限られている。


 大きな事をしたいなら人を集める資金をどうにかすること。

 必ずしも全部自分で用意する必要はない。

 他者にメリットがある事なら、そのメリットを享受する人々から資金を貸してもらえばいい。

 利益から配当金を分配する株のように動かしていけばやりようはあるのだ。


 どうやって人を集めるかといえばそれこそサラリーマン時代にこれはと思った人に声をかければいい。

 こういう事するつもりだけど参加しない? と声をかければいい。

 肝心なところさえ押さえておけば後は必要な技量を持った人を公募でもしてみればいいのだ。


 頑張ろう。出来る事は思いつく限りやっていこう。 




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