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57、監視部隊から

「壊れたわけじゃなくて、魔力の属性によってこんなことが起きるみたいだな」

「そうみたいですね」


 何度かの実験の結果、ミラ先生がチャージするとボードは出力部位の穴から火を噴いてしまう事がわかった。

 魔力の量が過剰にチャージされると、そもそも限界以上はチャージされることなく、ボードの外で爆風に変換されてしまうことも確認できた。

 ミラ先生が監視部隊の人を呼んできてみたところ、属性が水の人は出力部位から水が、木の人は風が、金の人と土の人はボードの効果を正常に引き出した。

 ただ金の人のはタマゴ以外の身の回りの金属製品も浮かべられたところから磁力を発生させているかもしれない。


 周りにやってきた監視部隊の人たちはボードに魔力を込めて遊んでた。

 内輪で盛り上がっていて話しかけるタイミングを逸してしまった。

 白衣を着ている人や軍服を着ている人だとか私服のような人とか、統一された服装をしていなかった。

 男女はどちらが多いとも言えなかったので、たぶん半々でいたんだと思う。

 関われたら色々な場所に顔を出せるようになれそうだと思ったのだけど難しい。

 今回は縁がなかったみたいだ。


 縁を作る。これはけっこう難しいなって思う。

 名前を知ってもらうだけであればたぶんできたと思う。

 でもそれ以上の関係が難しい。

 遊びに行けるレベルの関係が作りたい。


 今は危険という認識で見られていると思う。

 この状態は危ない。

 危険という認識だけ先行していけば、危険なモノと扱われ人間として扱われない。

 『危険だから処分します』と突然言われても『ふぅ~ん。そっか』と軽く流されてしまう可能性が高い。

 良く知らないモノなら裁定に誰も見向きもせずサラッと承認されて死刑執行書にハンコを押されてしまう可能性が高い。

 生きるためにも個人的な知り合いを増やさないといけない。

 色々なところに顔を出せるように、色々なところに知り合いを作らないといけない。

 それが生存戦略につながるから。


「今日はここまでにしようか」

「わかりました」


 ミラ先生と俺は車に乗り、俺はシートに固定された。


「魔力の出し方は変える気はないのか」


 ミラ先生は窓の外を見ながら話した。

 窓の外はすごい勢いで荒れ地に点々と生える木々が流れていた。


「変えたくないです」

「今よりもっと自由に魔法は使いたくないのか?」

「使いたいです」

「なら」

「ただ今は今しか使えない魔法を使いたいです」

「……ダメなんだ」

「えっ?」

「ダメなんだよ……」


 窓に映るミラ先生の眉間にしわが出来ていた。


「リク君。その魔力の出し方ではいずれ暴発を起こすと監視部隊の研究員から言われたんだ」

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