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55、モーターボード

 小タマゴをボードの穴にはめると、ボードはほんの少し浮かんだ。

 今回、俺が考えたのはボードに魔力を込めると、小タマゴとボードが一定の距離で保たれる仕組み。

 磁力の様に引っ張る力を穴の中心に焦点が来るように調整してある。

 ボードの穴の中で小タマゴがボードに触れることなく転がり、ボードを移動させる事が出来る。


 直径100cm程、厚さは0.5cm程の円形のうすいボード。

 チャージは30秒。

 ボードの穴は直径6cm程、円形のボードの中心を同じく中心にする六角形の頂点の位置に作った。

 六角形は横からの衝撃に強いので安全性も多少保障されると思う。


 このボードにモノを置けば指した方向に進んでくれるカートになる。

 今の僕なら下手に歩くよりもここに乗って移動した方が安全で速いだろう。

 小さな小石なら小タマゴが踏んでも、小タマゴとボードは直接くっついているわけではないので、ボードは揺れることなく進めるだろう。

 ただ荒れ地では進める場所がなさそうだ……。

 小タマゴ単体なら進めるだろうけれど、板があると進めない場所が多い。

 現状は室内で使う便利な宅配機くらいにしか使えないかな?

 屋外でスケートボードみたく使えないかな?

 傾斜がなくても乗っているだけで移動できるし、重心移動ではないが方向転換もできる。

 後は重量はどれだけ支えられるかが問題だな。

 100kgは耐荷重できてほしい。


 ある程度の段差を越えるとなると、タマゴを大きくして多少の段差を無視できるようにするくらいしかないかな?

 もしくは足の形状をタマゴから変えて、鉤爪とかつけてやるしかないだろうか?

 いや、空を飛ばせてやればいいかもしれない。

 幸い土属性は効率が悪いといえ、他属性に変質することができる。


「なぁ……それはなんだ?」

「モノを乗せて運べるモノです」

「そうなのか……」


 すごく微妙な顔をされた。

 何を言っていいかわからないみたいな顔だ。


 ……赤ちゃんとしておかしな行動しかしていないからな。

 ミラ先生にはルイ君という同い年の赤ちゃんがいる以上、大きな違いを見せつけられているようなものだろう。


 ふ……。だがルイ君も俺と遊ぶことで日に日に能力を向上させているのだ。

 ルイ君には身体能力は既に抜かれている部分もある……。

 大玉転がしの競争は勝てるけれど、ハイハイやかけっこといった部分で負けてしまうことがある。

 勝負で負けるのは悔しいし、筋力差で負けているわけじゃないと思う。

 足を動かす速度、神経の伝達が慣れていないから正確な動きが出来なかったんだと思う。

 普通の赤ちゃんと比べて1か所にとどまっている期間が長く、ハイハイや歩いたり走ったりといったことはあまりしてこなかった。

 つまりその点で反復練習が足りていないから負けてしまった。

 ちゃんと練習しないといけない。

 競争相手のルイ君の方が先に進んでいるかもしれないが、練習しなければ引き離される一方だ。

 負けたくない。


 それはさておき今、目の前に魔力切れを起こしたボードがある。

 これをチャージすることができるのは俺だけなのだろうか?

 もし他の人がチャージすることができるなら、このタマゴとボードの価値は大分上がる。

 今の放出量は低い等級の人でも使用可能な領域だと思う。

 だとしたらこれを使うことで流通面に改革を起こせるかもしれない。

 コマンドも、魔力をチャージした人の指示に従うにすれば、十分な働きを起こせると思う。


「ミラ先生! 頼みたいことがあるんですが」


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