54、タマゴパーツ
「リク君は魔法を使えるようになっても、魔力の放出はしないんだな。
一般的な魔法使いは魔法を使えるようになると、自然と魔法が使えるようになる前に比べて普段放出している魔力も増えるのだが……。
リク君。その状態はいつ暴発するか分かったものじゃない。
だから今日から1週間毎に魔法を使う日をもうける」
ルイ君と遊びながら過ごす日々。
大玉転がしで競争したり、室内を走り回ったり、疲れたらハイハイで競争したりしていた。
それが1週間程続いていた日、唐突にミラ先生からそう言われた。
願ったり叶ったりの魔法使用許可だ。
練習したい内容はたくさんあったところだ。
「やったーっ!」
体の中央への求心力はずっと続けている。
体が大きくなるにつれて体に溜まる魔力の許容量も増えていく一方だ。
どんどん拡張が進んでいた。
まだ求心力を解放しても放出量は1週間前と大した差はないと思う。
けれど体が大きくなればそれも変わってくると思う。
夢も魔力も膨らむ。
あれ? でもそれって要注意案件から外れていないってことか?
まだまだ監視されるわけか。
都市貢献ができないといけない。
でなければ監視する費用がかさむ一方で負債になる。
頑張らなければ。
抹殺ルートは回避したい。
監禁ルートも回避したい。
自由に生きて寿命を全うしたい。
前回はタマゴで検証した。
今回はタマゴに付属の部品がつけられるか検証しようか。
直径10cmのタマゴは成人サイズのゴーレムの関節としては大きすぎた。
直径5cmの小タマゴを意識してみよう。
タマゴは小さければ小さい程容量が小さくなるので注意。
小タマゴはチャージ8分の11秒で張りぼてプラス容量限界になる。
細かすぎて今は許容値を見極めきれない。
今後は本当に微細な時間の計測ができるようにならないといけないな……。
人形作りは一気にできない。
今回はタマゴをはめられるボードでも作ろう。
後付けでボードが作れれば人形を作る時にもパーツ毎に作ることができるようになる。
メリットは大きい。
一気に全部を作るとなれば1回1回たくさんの魔力が必要になることだろう。
現在の魔力の1回の放出できる量の制限に引っかかりやすい。
パーツが壊れた時、全体を作り直す必要があるかもしれない。
反対にパーツ毎であれば1回に使う魔力は少なくても済むので、制限に引っかかりにくい。
パーツ毎に作ればカスタマイズもできるし、パーツが壊れた際はそのパーツだけ直せばいい。
今は人形の骨組みを作るよりもタマゴを応用できるパーツを作って都市に貢献することを考えないと。
タマゴは転がる。自走するからその上にボードをおけばスケートボードのように使えるかもしれない。
乗って操作する必要性もないから自走するショッピングカートのようにもできると思う。
キャタピラみたくできれば凹凸にも強くなるだろう。
まずは平面を移動できるスケートボードを目指してみようかな。
「ボード作成!」






