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4、魔法の存在

 それを初めて見たのは部屋の入り口の柵の向こう側だった。

 扉が少し開いていてそこから外の世界がのぞけた。


「~~~~」


 聞いたことのない言葉をいい母親は手の中に青い光を灯した。

 そして目の前にあった空の哺乳瓶に青い光を入れた。

 青い光が弱まるほど中に透明な水が底にたまっていく。

 哺乳瓶の中ほどまで水が溜まると青い光は完全に消えた。

 母親は白い粉をスプーンで計り哺乳瓶に加えた。


「~-~~」


 赤い光を灯し哺乳瓶にいれると蓋をして上下に振っている。


「おいしくな~れ、おいしくな~れ」


 たぶん母親はこんなことを言っているんだと思う。


 脳内変換?悪いか。

 正確に何を言っているかなんて予測でしかないんだ。

 推測しかできないんだからしょうがない。

 どういうときに言っているのか、「おいしい」なら物を食べる際によく使われていたからそうだと判断したんだ。

 「まずい」とか話しかけるとは到底思えないから。


 で、だ。


 あの光はなんだったんだろうか?


 青い光は水を出したのだろうか?

 赤い光は……熱かな?

 粉ミルクを温めて人肌にしないといけないっていうことは聞いたことがある。


 ……これって魔法?


 ほかに何かギミックあるとは思えないよ?

 魔法があるということはもしかしてへその辺りの感覚って魔法の感覚かな?


 ……燃えるねっ!


 じゃあ、この感覚をもっともっと鍛えていこう。


「あ、見てたの?はい、ご飯よ」


 俺はとりあえず手を振り上げて万歳して笑ってみた。




 いじるだけならずっとやってきた。

 へその辺りから数十㎝くらいの距離までなら動かせるようになってきた。


 この感覚は食事をすると大きくなる。

 で食後からは徐々に弱まっていく。


 体が大きくなるにつれてこの食事をした後の感覚の大きさは大きくなっていた。

 まだ離乳食を食べたことがないのでわからないけれど食事によっても変わるのかもしれない。


 離乳食を食べるのはいつになるのだろうか?

 内臓の鍛え方なんて知らない。

 そもそも鍛えたところでまだ俺が食べたい物を伝える手段がない。

 食材の名前もわからないし。


 とにかく感覚を鍛えること。筋力をあげること。

 この2つは継続しないといけない。

 劣等感と後悔に包まれた、あの無力な状態にはなりたくない。


 俺はもうやらないで後悔したくない。


 それにしても魔法?ってどうやって使うんだろうか?


 言葉を唱えれば終わり?

 体の中で何かしていかないとダメ?

 たぶん何かしないとだめだよね。


 あの色付きの光とかも考えていかないとだ。

 青が水?赤が火?

 他にどういうのがあるんだろう?

 まさかあれが全部とは言わないよね?


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