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42、1等級魔法使いの魔法

「アタシ達の場合は1回1回威力が大きすぎるから、加減がわかるようになるまでできるだけ少ない魔力で魔法をつかうようにな」


 ミラ教官の手の上に紫色のバスケットボールサイズの弾が浮かんだ。

 教官はそれを空に向かって放り、雲に届くかと思う程飛ばし


「このくらいでいいか。バースト」


 一瞬収縮したように見えると膨れ上がり、蒼い蒼い火の華を咲かせた。

 まるで花火の如く。けれど花火とは段違いの熱量を持って。

 離れている俺たちの肌を焼きヒリヒリさせる。

 蒼い火の華はやがて白くなり、白は黄色、黄色は赤へと変色していく。

 そして10分程すると熱の余韻を残し見えなくなった。


 火の色の変化が恐ろしい。

 ガスバーナーの青は熱による発光ではなく、化学的な反応によるもので実際のところそこまで温度は高くない。1800(ケルビン)くらいだったか。

 けれど今回の反応は手元で紫、空で青、白、黄色、赤と色が変化した。

 熱による発光(スペクトル)の温度変化(分類)と同じだ。

 恒星の表面温度で考えると青で2万9千から6万(ケルビン)

 紫はその上にならないといけない。

 紫色は波長が短いので、途中で減衰してしまい、地球上で見える星に紫色はない。

 けれどもあの火の玉は紫になっていた。

 怖すぎる。全部溶かされるだろ。


「まぁ、こんな感じだ。リク君の場合、これよりも効果が大きいだろう。

 周囲20km以内に壊れても大丈夫な物しかない場合じゃなければこんな魔法は使えない」


 この魔法はやばい。物理的影響とか発動に時間がそんなにかかってないところとかも恐い。

 1等級魔法使いはこんな魔法を息をするように使えるのだろうか……。

 けれどこんな魔法が使えても倒せない魔物が辺境にはいるのか……。

 この世界は魔境か。魔境だな。


「リク君、君は何を魔法でやりたい?」

「魔法でしたい事ですか?」

「アタシはファイアボールにはまっちゃって特化したんだ。

 やりたいことをやるのが魔法を使うための早道だな」

「わかりました」


 やりたいこと……。

 自由でいたい。色んなものを見たい。どこまで俺が俺らしく過ごせる場所にいけるのかを知りたい。

 どうすればできる?

 魔法でいえばどうしたらできる?

 この体は小さい。

 小さいからまだいけないところが多い。

 じゃあ、どうすればいい?


 いっそ別の体があればいいんじゃないかな。

 どこまでもスペックが高い、完成された体があれば。

 今の体じゃできないことが多いのだから。


 どんな体にするか。

 器用さが欲しい。力が欲しい。

 コミュニケーション能力が欲しい。

 俺の意識が乗り移ったらコミュニケーション能力、ちょっと低くなりそうだ。

 認識が共有できるくらいの方がよさそう。


 この体の将来はきっとイケメン。

 栗毛で金眼。なんとなく癖毛。その方が印象が柔らかそう。

 西洋風の顔立ちで、175cmくらいの身長が欲しい。

 太りすぎも痩せすぎも嫌だ。

 髭はいらない。筋肉はそこそこで引き締まった体つきがいい。


 土の神様。そんな人は好きですか?


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