表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/383

40、魔力訓練担当筆頭ミラ

「君がリク君かい?」

「はいっ!」


 目の前に立つのはミリタリー系というよりもガテン系のお姉様とでも言えばいいだろうか?

 燃えるような赤髪と意志の強そうな赤い眼が特徴的で、がっしりした体はカーキ色の軍服が似合う。

 胸さえ大きくなければ男に見間違えられるかもしれない。とりあえず胸が大きい。

 不敵な笑みを浮かべたこのお姉様が


「アタシがミラっていうんだ。よろしくな」

「宜しくお願い致します」

「そう堅くなんな。リクは何歳なんだ?」

「2歳ですっ! もうすぐ3歳になりますっ!」

「は? 2歳?」

「はいっ!」


 一頻り困った顔でその赤髪を掻くとお姉様は言った。


「君は頭がいいんだね」


 反応に困ったのでとりあえず俺は笑っておいた。

 その反応を見てお姉様は小声で何か言うと一気に表情を切り替えた。


「さて! 君は魔法が使いたいかな?」


 体操のお兄さんみたいな口調だな。体の動きもそんな風に見える。小さい子向けの先生だからだろうか?

 答えはもちろん


「はいっ!」


 お姉様、いや教官は満足そうに笑った。


「それにはどうしたらいいと思う?」


 今の俺の問題点。それは魔力を外に出さないようにしていること。

 きっとこれが障害になるだろう。


「魔力を使うんですか?」

「もちろん魔力は必要だ! だが必要なのは魔力だけじゃない。それは神様への祈りなんだ」

「神様への祈り?」

「魔力はただ放出するだけだと暴走して爆発になってしまう」


 あ、推論は正解だったか。根拠は魔力が暴走したら街が吹き飛ぶというシスターの言葉だけだったからあっているのか不安だったんだよな。これで放出しても影響はありませんだったらちょっと悲しかった。


「だけどな、自分の属性の神様に祈りを捧げるとその魔力を変換し魔法にしてくれるんだ」

「祈ると魔法に変わるんですか?」


 神様が回路になって仕事を行うのか。神様はシステム? 何千何万下手したら億を超える祈りを1つ1つ叶えているのか? いや、まさかそんな手動で行うようなことはしていないか。形式を決めて捧げる魔力量などを変数として入力して魔法を発動させるとか。

 神様のメリットはなんだ? 捧げられた魔力から中間マージンでもとって1部自分の力に変えているとか?


「もちろんただ祈っても魔法にはならないさ。どういう風にしたいのか、イメージを持って魔力を捧げながら祈ると魔法にしてくれるんだ」

「分かりましたっ! 魔力を捧げるって言っても具体的にはどういう風にやるんですか?」

「はいはい、急いでるともらいが少ないってね。焦らない焦らない。

 まずは自分の属性は知っているかい?」

「はいっ! 土ですっ!」

「だと思った。栗毛と金眼。1等級以上で現れる神様の色だ」


 1等級以上……。10年に3人しか生まれない1等級。

 すごく神様の影響を感じる。考え過ぎだろうか?


「1等級以上? ……それじゃあミラ様は火ですか?」

「あぁ。それがわかるということは……神様については知ってるな?」

「はい、お母さんに絵本で教わりましたっ!」

「いいね。じゃあ、神の似姿も知ってると思って大丈夫かな?」

「土の神様は栗毛金眼の子っ!」

「その通り。神様について詳しくなるほど魔法の幅が広がっていくっていう話だ。神様の事は知っていて損はないぞ」

「はいっ!」


 神話を絵本でよく読み聞かせてもらえていたのは魔法のためにもなるからだったのか。

 母さんありがと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
gqch13hqlzlvkxt3dbrmimughnj_au0_64_2s_15


gto0a09ii2kxlx2mfgt92loqfeoa_t53_64_2s_d
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ