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36、両親は伝説でした

「……」

「どうかしましたか?」


 アイっていう女の子は表情が固まった。

 見開いたままの紅い目を見てみると覗き込めば何か考えが読めるんじゃないかと思ってしまう。

 紅い目。かっこいいと思ってしまうのは男の性か。厨二病の目は深い。

 ……この年にしてはハッキリしゃべりすぎたのかもしれない。

 不気味だからフリーズしたのだろうか?


「かわいいね~」

「そうだねー」


 かわいいか。しゃべると初対面だと若干ひかれる方が多かったからその方面を忘れていたよ。 


「……丁寧語使って大人ぶってるの……なんかかわいいっ!」


 あ、うん。そっか。そこか。


「リク君は何者なんですか?」

「私たちの子供です」

「年齢は……」

「本人も言っていたように2歳ですよ」

「約束の3人だとしたら1歳のはず……でもリク君の体つきからして3歳って言われても信じられる」

「リク君は正真正銘の2歳です」

「……困ったね。先生に話を聞いてみないと判断できないや」

「ラミ様が私の知り合いなんだ。とりあえず彼に会いに行かせてもらえないか?」

「ラミ様? ……ってもしかして英雄筆頭っ!」

「実は私達夫婦は彼のパーティーメンバーだったんだよ」

「だった?」

「2年前、妻のエリが身ごもってね。最後の戦いをした場所の近くの街で休暇をしていたんだ」


 そういう理由で……。だから辺境の街にいたんだ。妊娠中の移動は危険だからな。

 外見は20代前半かな? と思うけど実年齢は20代後半だとしてもおかしくない。

 そう考えたら余計に妊娠中の移動は避けたいって思うだろう。流産の恐れがあるから。

 ただでさえ揺れが激しい道中だ。妊娠している人が移動するなんてもってのほかだろう。


「すみませんがお名前をお伺いしても?」


 キルさんが不意にお父さんに神妙そうな声で話しかけた。

 それまでの声とは声色がまるで違う。


「私がケンだ。そしてこちらが妻のエリだ」

「剣聖のケンさんに万魔のエリさんっ!」


 驚愕に満ちた声が辺りを震わせた。キルさんは失礼と咳払いをした。その眼は爛々と輝き憧れに満ちていた。


「あらあら。まだその二つ名を知っている人いるのね」

「知ってますよっ! その剣は斬れぬものなし。その魔法は全てを阻む。

 教本にのる伝説のメンバーっ!」

「そんなこと言ってもだな。私は斬ることしかできないし破壊という意味なら1等級の方が余程な」

「私はちょっと使える魔法が多いだけよ。威力なら圧倒的に1等級の方の方が強いわ」

「けれど1等級の方々を押しのけてパーティーに選ばれたのはケンさんとエリさんですっ!

 あなた方の強さは魔力の大小の範疇を超えているんですよっ!」




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