31、仲良し両親を見つめる2歳児
車内はキャリーバッグなどが置いてあれば倒れるんじゃないかと思う程揺れが激しい。
道路がそこまで整備されていないんじゃないか?
盗賊などがたまに出てきたり、魔物などがわくのであれば日本のようにアスファルトを使った道路を整備するのは困難だろう。
地盤沈下が起きて道の真ん中に穴とかできないように道の端に木を植えたりして土や砂が流れないようにしたり、道の周囲よりも高く砂利を盛って車の足回りが水没しないようにしたりするくらいなら……出来るだろうか?
木を道の端に植えるくらいなら簡単に出来そうな気がする。
林といえるほど木を植えなければ盗賊の襲撃時の潜伏場所にはならないだろうし、むしろ遠目から見て車が通っていることに気づきにくくなるため襲撃をかけにくくなるだろう。
いやまぁ、想像に過ぎない。
実際にそうなのかは見ていかないことにはわからない。
ただ道路があまり整備されていないことだけはわかる。
ただどうしようか。
スイさんはここにいない。
たぶん屋根の上とか見張りのしやすい場所にいるんだろう。
そして……目の前で両親が甘々の雰囲気出していて、独身男性にとって居づらい空間になってるな……。
しばらく見ていたけどまるで両親は気づく気配なし。
この騒音の中ではちょっと声あげたくらいじゃ聞こえないだろう。
便意もないし呼びかける必要はない。
この甘い雰囲気、用もなく崩したらしょうがないなって思っても、どこか不満を感じるだろう。
わざわざ不快感を与えにかかる事はない。
このままバランス感覚を鍛えながら遠くを見ようか。
今まで近いところばかり見ていて視力を鍛えることができてなかったしいい機会だ。
まず母さんに注視してみよう。
軽く編み込みがされた金髪が腰のあたりまで伸びている。
黄緑に近い服を着ていて身長は165とかその辺りだろう。
ぽんきゅぽんのスタイル。ボンッキュッボンッじゃなくてぽんきゅぽん。
流石にBWHを目測で予測できるほど体形に詳しくない。
身長だったら前世の俺の身長からどれだけ足してなどすればある程度推測できるがBWHは滅多に測ることはなかった。
ちなみに前世はけっこうやせていて男性用ではぶかぶかになってしまうため測ったらW……つまりウェストが60cmだった記憶がある。
その時の太さから予測してみると母さんのウェストは同じくらいかそれよりもちょっと細いか。
……大分細いと思う。
次に父さん。
初めに言おう。顔が濃い。
これぞ、戦士の顔! と言われたら納得できるほど顔が濃い。
体つきはプロレスラーの如く分厚い筋肉に覆われている。
ここまで見ると近接戦士? と思うがしかしだ。
父さんは魔力2等級だ。
母さんは魔力3等級だ。
魔力だけ見たら父さんの方が多い。
もしかしたら魔法戦士なのかもしれない。
身長は目測だが190近いのではないだろうか?
……魔力が多いと細かな作業が難しい……。
魔力を細かく使わず武器に纏わせたりして使う?
そう考えたら魔力が多いほど威力の大小をそこまで気にしないで使える近接戦が強くなる?
だとしたらプロレスラースタイルは1つの完成形?
大雑把な魔法の反動を受け止めたり、近接戦で受けるだろう衝撃を吸収するにはいい体形なのかもしれない?
マッチョか……。筋肉欲しいな。
前世では筋肉があまりつかなかったが今世では欲しい。






